生命 自然の交流/共同のいとなみ

エクセルギーなLife&Housingラボ(NPO) 自然の循環性に生きる生活と住まい方/営みの提案交流ブログ

都知事宛提案文書5/14豊洲の地下・土壌の状況把握は 設計において不可欠だが

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書5/14】

 豊洲地区の土壌汚染は 表層だけではなく, 水難透過性の粘土層(深度10m前後)の間まで コールタール混合汚泥土として ジタ~ッと拡散している. これを捉えないと 除染はできない.

※これもまた 一級建築士の水谷和子氏の作成された

   豊洲市場建物・地下深度概況図】である.

 

 

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A;この図を重視していただきたい.後述するように,豊洲建物が このことによって コールタール状泥土層に《ピロティ方式》で建てられていると同様であるとの指摘は,建築エコノミスト森山によってなされている.

地下空間も入れて実質5階建ての中層建築で,ピロティ方式の駐車場建設と同じく,耐震性の強度査定が必要となる.監督する立場の都自身が為すべきことである.

 

B;さらに この構造を見ていただければ読み取れと思うが,干潮満潮の海水面の上下によって,サイホン原理で 建物内部においても 海水面の上下運動が起こり, それが 建物の閉じられた地下空間によって  《ピストン・ポンプ現象》が起こる.このことによって,地下土壌の猛毒性物質が 屋内に押し出し・拡散される現象が生まれる.これが 汚染調査で 数値が今だ 高止まりの原因の一つであろう。 膨大な量のコールタール状猛毒物質を取り除かない限りは, この汚染拡散は続く..

上記 及び Bは 豊洲利用判断の重要な前提と関わるので, 改めて 節を設けて考究する.

 

※以下は 【法学館憲法研究所】のサイトより転載したものである. 大変わかりやすい.

「地下空間は汚染が露出しているのに近い状態ですから,危険で無い訳がありません.最近の調査で,空気中の水銀が換気後も国の指針を超えてしまう事が分かりましたが,地下水由来の汚染と公表されています.調査で見逃された汚染源が地下水を汚染し続けている証拠です.揮発性の汚染物質は他にもベンゼンやシアン化合物などがありますが,最近の調査で何れも地下水から汚染が検出されていることが分かりました.これらも汚染源が残っている証拠です.中枢神経毒,発がん性,催奇形性毒など,環境に放出してはならない毒性です.  都は地下空間の換気をすれば大丈夫との結論を出そうとしていますが,永遠に換気を続ければならない市場とは一体何なのでしょうか.これには仲卸さん達も怒り「(工場由来の)汚染は全部除去すると,ずっと言っていたじゃないですか!」と抗議をしています.   」

築地豊洲問題 知事宛提案文書6/14豊洲の耐震性にも 重大な問題

 

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書6/14】

 

豊洲市場建物の耐震性にも,専門家から 重大な問題が指摘されている.

 

それは 日刊ゲンダイ 2016年10月17日付報道の「森山高至氏へのインタビュー記事」である.

   ※ブログ『湯沢平和の輪』の又引きで申し訳ないが以下の通りである.

――建物自体の強度に不安があれば、移転どころじゃなくなります。「食い違い」とは、水産仲卸売場棟4階の床に敷かれているコンクリートの厚さが実際は「150ミリ」なのに、構造計算書では「10ミリ」になっていた問題ですね。床の広さを考えると、実際の建物には推計1300トン超のコンクリが加重されています。

  構造計算書の耐震強度が実際にはクリアしていない恐れがある。構造計算は2005年の耐震偽装事件以降、「ピアチェック」と呼ばれる第三者機関による二重検査が義務づけられました。豊洲市場は都自身と公益財団法人「防災・建築まちづくりセンター」の2カ所でチェックしましたが、両方とも「10ミリ・150ミリ問題」を見逃したのです。

  ――そんなことが起こり得るのですか。

  チェックしていない証拠でしょう。以前は豊洲市場のように自治体が建築主の場合、建築確認は「計画通知」だけで済んだ。単なる「通知」だから審査はありませんでした。耐震偽装後は計画通知もピアチェックを受けることになったのに、今回の二重の見落としは都の審査体制そのものに疑義が生じます。

 ――地下も相当、特殊な構造のようですね。

  そうです。構造計算上は「地上4階建て」と設定し、地下を無視していますが、実態は1階部分が地下にズドンと落ち込んだ「5階建て」相当と見るのが妥当ではないか。しかも、地下の空間は土留め用の「擁壁」で囲っているだけ。しっかりと耐力壁で覆われた「地下室」とはいえません。地震が起きたら、土砂崩れが生じる恐れもあります(別図)。

 ――建物が高下駄を履いて、宙に浮いているようにも見えます。

事実上は1階の柱だけを残し、駐車場などに利用する「ピロティ式」の建物と同じ状態です。熊本地震でもピロティ式の建物の柱が折れ、1階がつぶれる被害が相次ぎました。構造問題は真っ先に検証すべきです。      」

 

  豊洲の耐震性 もう一つの重大発見

 

上記,一級建築士の水谷和子氏作成の【豊洲汚染深度概況図】を見て,気が付いたことを述べる;

低層4階建て(実質5階)ということで, この地域の岩盤まで 支柱を下してなく,

  地盤は, 埋め立て地で, 外から運んだ軟弱土砂で埋め,

  それに 石炭残渣コールタールを加えて混ぜれば, この土壌は永久に固まらない!

こういう地盤に建築した豊洲市場建物は 泥地盤に建てたと同じである. 地震時にさらに液状化して, ピロティ式の地中支柱は, 揺れて その役を果たせなく, その揺れが続けば 折れる.

 東京湾深部で 震度6以上の地震発生は 100年スパンではどうなのか;

中央卸市場の建設は, 100年の計である. この100年スパンの単位で見通せば, この東京湾深部が 震度6規模以上の地震に見舞われる確率は かなり高い.

根拠はこうだ; こうした規模の震源地は, 関東大震災(94年前の1923年M7.9)を起こした東京湾深部も含めて, 関東地域では 6カ所ある. これが この70年間どこも起きていないのだ. その地殻エネルギールは 解放されていないということ.安政江戸地震(M 7.0〜7.1)は, 162年前の1855年である. この前後に 東海・東南海トラフに関わる大地震も連続して起こっている. 東京湾深部地域に関わる 震度6以上の地震は 他人ごとではないのである.

 

豊洲利用の判断の前に, この液状化傾向の軟弱地盤の上に立つ, 豊洲市場の建物の構造強度解析を 必ず やって, それを公表していただきたい.

 そのとき 構造強度計算上は, 豊洲の建物は,地下空間部分も入れれば, 5階建てであることをお忘れなく.

《姉葉耐震性偽装事件》とは言わないが, 軟弱基盤にピロティ方式で立つ豊洲市場建物には 少なくとも震度6台で,大丈夫なのか 検証してほしい. 関東大震災時に, その復興の役割をもって建築された築地市場のように, この関東地域における 今後100年間,この規模の地震災害が起きても, 関東地域の復興の役割を果たせるように 生鮮食材の集配センターとなってほしいのである. 陸上輸送流通が 不可能な時は, ここには 海上輸送も可能である. そして何よりも, 昼夜24時間稼働して, 数千人が働いておられる中央卸市場である. 一人も一人も死傷者を出さないでほしい.

豊洲市場建築のこのままでは, こうした災害が起きっとき, その甚大な人的被害に対しての行政上の瑕疵が問題となろう.

豊洲設計は 余りにも無頓着・無思慮である. これもまた 落札率99.5%に見られる, 公共建築の‘依頼者側のプラン要求’のなさの反映なのであろう.

都知事宛提案文書7/14豊洲利用 土壌と建物設計で 重大な2つの間違った認識

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書7/14】

豊洲の計画変更には

豊洲地区利用の土壌・建物両方における 次の2点の間違った認識を変えることが出発点

 

A; 豊洲地区の汚染の度合いを甘く見たこと.

    それだから 除染作業を糊塗するレベルで済ませた.

豊洲地区のコールタール状の超有害汚泥土は, 東京ガスが32年間 石炭から燃料ガスを取り出す工場を稼働させ, そのコールタール残渣を豊洲地区土壌に流し込んだのである. 汚染状況の把握,したがって その除染工事のすべての出発点は, このコールタール状の汚染泥である. その量は, 計算で○○ にも上る.

A1;どこに・どれだけ・どのように 流し込んだかを東京ガスから 資料で出させることが 出発点である.

 そもそも この資料を出させているのかどうか.

A2; 2002年に制定された『土壌汚染対策法』に関わての 今回の豊洲市場建設問題は 東京都の指示・指導, 土地取得交渉と その後の除染の義務をどうとらえていたのかが問われ, 自らの行政査察が必要であろう.

Wikipedia;「(目的)近年、工場移転によって跡地の再開発をすることが多くなったが、工場跡地で重金属類や揮発性有機化合物等の土壌汚染やこれに伴う地下水の汚染が次々に発見されるようになった。このため、具体的対策の法的な整備が必要となり、2002年に土壌汚染対策法が制定された。」

まさに ズボシ 当てはまる. そして この時期に, 東ガスとの交渉をしているのである.

少なくとも同法の3点; 6条要措置区域指定, 第7条汚染除去の措置指示, 第9条土地形質変更

禁止の指示/ において 東京都自身が 査察の対象となろう.

さらに, この汚染が 再調査によって除去されてないとなれば, 国への市場開設の認可申請も改め

行う必要があろう.この汚染状況では,安全性が担保されておらず, 『卸売市場法』に基づく許認可を

出すことにはなるまい. こういう法的な問題ともなる.

これだけの有害泥土量は, 表土の取り除き・取り換えでは処理できない. その深さは 少なくとも 粘土質層までの土を処理しなくてはならない. ここまでの除去をやらないと,土地を利用できない程の凄まじい有害性の高いコールタール汚泥土を大量に土壌に混合させたのである.

★除染工事で 一部の「汚染地区」で 深度4.5mまでの 土壌取り換え工事をしたそうだが, それによる 含有コールタール汚泥土分としては, どれだけの量となるか, そして 残留量はどれだけかを 解析した数値を公表してほしい.

‘幸いにもコールタール泥土’であり, 流れることなく, その地区の地下に封じ込まれて現在もある. このコールタール汚泥土を除染して戻し土することである.

 

 重大なことは 除染工事設計にあたって 

   埋立地地下に起こる《ピストン・ポンプ現象》を見落としていることである.

海を埋め立てて 護岸で囲った敷地地下では,海水の干潮・満潮によって,サイフォン原理で 海水面と同一水位となっている海水によって,ピストン・ポンプ現象が起こる.これによって 閉鎖空間内のコールタール汚泥土が 強いポンプ圧力を掛けられて,毎日 上下に洗われる.コールタール汚泥土には,超有害な揮発性物質を含有している;それは ベンゼン・水銀・シアン化合物等である.これらが滲出漏出される.この現象がどれだけのものかを実地実験で正確に観測しなくては 設計はできなかったはずである.しかし 設計にあたって,この現象を甘く見たというよりは,見落としている.

 その結果,屋外はもちろんのこと,建物内部においては 床張りしたコンクリート細孔からでも 漏れ出て 密閉室内気を汚染する.何十年も,大量の石炭残渣;強力な毒性を持つコールタール汚泥土によって 地下空間には汚染水が,室内空間は,揮発性有害物質によって汚染される.このままでは, 最早 生鮮食材を扱う市場としては許されまい.

 以上のような認識が, 東京ガスも含めて 歴代の都の首脳部, 専門部門;担当部局・技術委員会・専門家会議でなかったのである. だから 除染作業を糊塗したレベルで済ませ, 土地の売買でも判断を間違ったのである

都知事宛提案文書8/14豊洲利用の条件;汚染防御と除染,耐震補強工事

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書8/14】

 

豊洲地区を利用できるようにするためには, 次の汚染防御と除去が条件である;

 

 再度 本格的な防染・除染, 及び 耐震補強工事を行う.

その手順と工事仕様は;

D1;公示前の予備調査

  先ずは,採集地下水の汚染度が高い地点を そのエリアで 5メートルメッシュで

 地下の水不浸透粘土層(10mぐらい)まで,深度1m単位で土壌調査をすること.

             ※この調査は 工事区域を選定して行う D3地下トンネル方式による除染工事作

    業には必要不可欠である.

D2汚染防御・耐震補強

 使用できる状態となるためには, 有害物質からの防御を 再度工事実行する.

 その方法は, すべての建物の内部は,

地下空間を利用して, 水泳プール並みに防水・拡散遮断工事,

 透水・通気 が一切ないように 厚い床敷きに改修する.

※プール並みの箱状床張りによって,地震時の地下液状化にも耐えられる.

 これを 格子状の箱床張り補強によって行えば, 耐震性強化とすることができる.

 

   この工事により,豊洲市場建物は 使用が可能となる.

   そして 次の除染本格工事を10年間掛けて行う.

 現豊洲の土地建物を利用しながら 除染作業をするには 次の工法がいいだろう;

 

D3;除染工事は 営業しながら,地下トンネル工法で工事を進める.

汚染土を掘り出し,脱有害物質・燃焼破壊して, 固化して元に戻す.

 豊洲地区の地下に溜まっている超有毒物質含有の石炭ガス化残渣;コールタール汚泥土は, トンネル工法により 掘削して採集し, その土を 洗浄・脱硫・熱分解処理して, 清浄な土にして, それを固型・レンガ積みにして,元に詰め戻す.

 ※この工法により 建物地下の耐震補強・免振強化・液状化防御能は高まり, 好都合である.

 豊洲の既建物は, 4階中層(地下空間分あり;5階となる.)であり, 岩盤杭入れをしてない工法で

  あることをお忘れなく.

 

以上の汚染防御・除去,及び 耐震補強工事ができなければ,

 豊洲市場建物の《市場機能を持った集配センター》等の再利用計画も含めて

 すべて諦めざるをえない.

 

 

 

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書9/14】

 B; 既建築済みの豊洲市場の建物は 市場建築の基本的なコンセプトを間違って建てたもの.

現建築済みの豊洲建物は, 300億円掛けて 途中投げ出して没となった『築地新築設計プラン』を そのままコピーして 豊洲に建てたものである.

 

 この設計プランは, 競り売り市場仕様では全くなく, 流通集配の倉庫転用仕様である.

これでは 競り売り買い付け市場として使うならば, 毎日 混乱し, 作業機能不全を起こし, そしてその挙句は 営業業者の反乱がおこるだろう. そういう代物をつくったのである. 土地の汚染問題だけでなく, この誤ってプランニングした市場建物であることの認識が重要である. ここでも 不作為の罪ではなく, 行政における ‘無意欲・無知からくる お任せ適当に’という罪がある. それが行政上の瑕疵を生み出す.

ということになると 豊洲建物は 生鮮競り売り買い市場としては 使わない. むしろ その建築仕様にあった, 物流集配倉庫として利用する方が 理に適っている.

  となると 豊洲の再利用計画を探究する最初の発想は 《公設物流集配センター》である.

しかし 単純に 物流センターを造っても 成功はしない. 流通界は ‘走っている生き馬の目さえ抜く’といわれるぐらいの 激しく流動する選択競争の業態世界である.

 《集配倉庫》では,単機能であり, 流通システムのニーズが単純化してしまう. そこで, 《市場機能を持った集配センター》の構想が出て来る.

それで このことのマーケティングを突っ込んで考究検討することが求められる. 以下に述べる.


都知事宛提案文書10/14豊洲は市場機能を持った流通集配センターに計画変更

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書10/14】

【築地の再生・豊洲利用計画変更は 今後100年の計となりうるか】

 

 

築地市場 増新築して 再生させる.

豊洲建物は 市場機能を持った食材・食品分野の物流集配センターにする.

 流通システムの需要解析;マーケティングが重要である.

 

築地の再生と豊洲の再利用計画は, どちらも,消費者への生活物資流通システムを 今後少なくとも100年見通して,マーケティングしなければ確定できない.これは 物流の戦略的検討である.

そのとき 現在日本における次の三つ流通システム;様態の特徴と時代推移の状況を読まないといけない;

 

A流通システム;

 《生産者→◆(競り卸し)◆小売り・店頭◆消費者へ》  競り市場型

 この中核となる場面は 競り売買の卸市場である. その典型は 築地市場である.

A1市場方式の品定め選定力

 この競り売買市場方式は, そこに売り買いの専門プロが関わって 品定めをする. この選定力発揮を場面設定したものが 競り市場である.

A2正当・正確な価格決定と調整力

 このような競りシステムは, 商品の価格決定に 生産正当評価と妥当正確な価格決定がなされる. それが 価格調整を為し, 各商品の正当な評価となり, 全国的な標準価格となり, 価格安定を為す. こういう機能が 単なる物流集配と異なった《市場機能》というものである. 築地市場は この全国の標準価格となる価格設定機能を持っていたのである.

A3; こうした機能によって 築地市場生産者にとっても, 消費者にとっても 大変ありがたい. それは全国区的影響があった.

こういう市場機能によって, 生産者は より良いものをつくり, 安心して出荷できたのである. 小売店から購入する消費者は, より良い食材を安心と全幅の信頼で購入できたのである.

 競り市場機能は, 品質向上と 安心・確か生鮮食材を生産と消費に発揮させ, 生産労働と消費行動の支援となって 築地市場は 90年の長きに 重要なmissionを果たしてきたのである.

 築地市場は こういう機能を為す流通機構である. 市場開設から90年, 今後も100年は 発展維持されなければならない.

 

B流通システム;

《生産者◆大手小売り業者の直接注文・交渉→●(集配)→●店頭◆←消費者へ》

大手小売業者の直買い付け型

B1; この様態の流通システムは 大幅にその取引量を増やして,市場・小売り方式を侵食している.生産者も 大口の買い手であり,優遇され,小売価格の低廉化になっている.

この《市場を通さない直ジカ買い付け型》方式は, 生鮮食材宅配業者も含めて, 今後,このシステムが 流通機構に適合して,広がることが見通せる.

 このシステムを 豊洲は 取り込むことができないか. 以下に考究を進めよう.

B2 ; このシステムでは 各スーパーマーケット経営等の大手小売業者が 生産現地に出向き,そこで, 選定して良し悪し・買い付け可否を決めることになる.この取引関係で, 生産者との一定期間の評価が続くと,《産直契約》を結んで 取引き関係を固定する. 特に 流通機構に参入し,首都圏に広がり始めた生鮮食材宅配業は, こうした生産者直契約制である.

 このシステムの決定的な弱点は, 商品の品質と価格の比較選定ができないということである.

もしそうであるならば,箱詰め密封の商品を《集配センターに持ち込み,大手買い付け業者等の参加による, その場でのサンプル開梱審査・評価方式がありうる.すなわち 《市場機能を持った集配センター》である.

B3; この場合も 買い付け側の小売業スーパーは,評価を受けて陳列された商品を見て回り,選定・買い付けをすることになる.そして 残った商品梱包は 値を下げて売りなおさないといけない.そうすると,これも 実質的には 競りと同じ,市場における品質評価と価格の妥当値調整となろう.

都知事宛提案文書11/14直接注文・拠点集配型流通システムの解析

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書11/14】

C流通システム;

 《生産者・サイト;消費者の直接注文→●(集配)→●消費者へ》; 拠点集配型

 

C1; 生産者→消費者の物流は, ネット注文による直送宅配が 今後大幅に増えるだろう.

この様なネット通販による消費行動は 爆発的に増え, その宅配購入比率は今後 消費者が 町の小売店・スーパーから 直接買いする現在の買い物生活と比べて その生活材の購入率は ‘熱心なインターネット購入マニア’においては, 20%程度(日利用率で)の比重ぐらいに上がるのではなかろうか.

C2; 一括集約拠点の設定

現在,その中継・集配は, 大手宅配業者が, 各業者ごとに物流拠点を構えて行われている. しかし この流通業者の作業現状は目一杯で, パンク状態である. 現行の流通システムに根本的な欠陥があり, 流通・経済合理性がないからである.

 これを一括して取り込み, 集約拠点を設定して, そこから 東京都内の各地域に分配して,配達する. こういう《共同配送センター》方式の公設化がありうる.

ここでの取り扱い品は, 宛名記入梱包済みの 既に買われた商品である. 郵政郵便物の取り扱いと同様で, そのセンターの機能役割も同様である. したがって 公共性も同様である.

C3; 問題は 消費者の直接注文・お取り寄せ制の弱点である.

この流通システムには, 上記A1,及びA2のような競り市場機能がない. 特に 生産商品の品定め機能がないという弱点がある. それは 直接注文者個人の自己責任で行われる消費行動である. だから,‘賢い消費者’は ‘ためし注文買い’をして, 良ければ 継続注文者となる.

この弱点を補うには, 生産地での協同機関による選定, 通販サイトでの評価機能等 流通過程の中継における評価選定機能を充実させないといけないだろう. 現状では 過剰宣伝による消費トラブルがかなり発生している. この10年間の私的な体験では, 購入したが 意に添わなかった・リピータとならないショップ商品は, 生鮮食材以外の生活品では 2割ぐらいにものぼる.

 

 

  以上のような ,及びCシステムを取り込むようなシステムを造れないか.

B大手小売業者,及び C消費者個人注文お取り寄せ型の弱点をカバーする・支援するような

 新たな流通システムを 構築できるかどうか

  そのシステムの 需要有効・経済合理性があるかどうか

このような スーパーマーケット小売り業者 あるいは 個人が, 市場を抜きにした直接買い付け・流通集配利用する《生産者→中継集配→消費者へ》となるシステムは 本当に需要有効・経済合理性があるかどうか, このマーケティングをきちんと 公営の市場開設にあたっては, 専門的に研究する必要がある. 行政機関で集団的に研究検討することが必要である.

 

過って 宅配便が 郵政局だけで主に行われていた時代に 明治から100年続いた仕来りに風穴を開けて, 民間業者が初参入したのは, クロネコヤマトの創業者小倉正男である. そのマーケティングの戦略的思考はどのようなものであったか,次の本を読んでほしい. 経営学の実践的な指針テキストとなろう.

小倉昌男小倉昌男経営学』(1999年刊 日経BP社)

  これを読んで,研究し,案を練って提起し,

   それを集団討議をして検証し,練って練って熟考検討し,

    そしてやっと 行政の俎上に載せる.

   / ここまでやらないと,成功しないということ.

 

 

 今後 1000万都民の首都東京においては このA,B,C三つの流通システムが,少なくとも100年は, 並立利用となろう. 築地はAで, 豊洲の建物は, BとCの流通システムを取り込み,その機能を担った《市場機能を持った集配センター》とすることが そのマーケティング解析によって見通せよう.

(2,017/03/23完)

 

都知事宛提案12/14豊洲利用の計画変更;《市場機能を持った集配センター》替え

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書12/14】

【本論】

       豊洲利用の計画変更;

《市場機能を持った集配センター》替えは 成功するのか

スーパ-直接買い入れ型,及び 個人注文宅配便型に対応する

新たな流通システムの構築は 需要有効・経済合理性があるかどうか

新たな市場設営に対するマーケティング解析

 

現在 競り市場型でないシステム;小売り・消費者の《生産者直接注文型の流通システム》は 主に次の通りである;

B流通システム; スーパーマーケット等の大手小売り業者の現地買い入れ型

C流通システム; 消費者個人注文品の拠点集配型

この2本の流通システムは, 市場・消費行動で 広がり, 中央競り市場型の流通機構を縮小化させる状況となっている. こうした動向の解析をしなければ, 築地・豊洲の市場経営の見通せない.

このことをどう見るか, 流通機能評価・マーケティング解析をする必要がある.

それは 《小売り業・消費者の生産者直接注文買い入れ方式》の評価と その流通力の原動は何かをつかむことである. このことの洞察から, 豊洲《市場機能を持った集配センター》に計画替えをして成功するのか,その計画替えが成功する市場経営の核心は 何かをつかむことができる.

 流通機構の進化発展に関わる 次の3課題について 考察する;

 

; 流通システムの合理性設計

A1;流通コストと消費者メリット

競り市場を通さない,生産者との直接取引買い方式は, 競り市場を通さないだけ, 流通コストが削減される. その分だけ 店頭価格を下げ, 消費者のメリットとなる.

A2; しかし 流通コストは, 全体として 決して流通コストが下がるわけではなく, むしろ 大手小売り業者・多数化する消費者の生産現地との直接売買契約方式は, 流通の流路が増え, 輸送コスト総額高となる.

A2; 流通路の合理性設計; その作業効率・作業量の最大化

そして その実際の流通宅配状況は, 既に 取り扱い量,それを担う労働状態は,パンク状態となっている. この事態は 各業者の自主的な改善に任せられて,解決できるものではない.

  この問題は フラクタル数学の流路問題でもある. その輸送作業量の解析では,

  (P多量の生産点producers●●●

             → ●●●(C多量の消費者点consumers

この最も合理的な流路は, 輸送量に対応した集配拠点◆の設定にある. 1000万都民の台所を預かる東京都地区の場合は, 拠点センター設定は この合理的な設計となる.

ここでは,大事なことは,

この集配拠点センターは 単に集配機能だけでなく,

  市場機能を持ったセンターにできないか

である. これを検討・考察・探究してみたい.

都知事宛提案文書13/14市場機能を持った集配センターはありうるか

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書13/14】

B; 市場機能を持った集配センターはありうるか

  BとC流通システム 実態問題を解決し このシステムの流通を取り込む

新たな流通システムが 探究される.

    その核心は何か

それは

  この両方の流通システムを支援するような

《市場機能を持った 公設の流通集配センター》

  東京都が 築地市場と合わせて両方を経営することである.

 

以下に 市場機能の重要性に焦点を当てて考察してみよう;

B1; 品質の比較選定と 品質向上競争力のエンジン化

小売業者・消費者による 《生産者直接購入方式》の問題は, 競り市場を通さないで,直接買い付けつけることになり, 充分な比較選定ができないということである.

それによって 直接品質比較競争が十分でないということになり, 選定品の格差が生まれ, したがって そこから生産者への品質向上の促し力;エンジンが入ることが薄くなり, 長い目で見れば, 生産・流通・消費の品質低下・格差拡大が起こる.

だから 流通の要となる拠点において, 買い付け側を代表して 大手小売り業者;スーパーの参加による品定め評価機能は 重要であり, 確保しないといけない. それが市場参加である.

B2; 買い入れ数量;店頭売り上げ量の読み

直接注文買い入れ方式の もう一つの問題は, 品質評価に加えて, 買い入れ数量;店頭売り上げ量の読みが難しく, 多くは,多め仕入れ, 店頭陳列にする. 店頭では 日毎に消費流動性が変化し, ほぼ毎日 大量の食材・食品売れ残りが発生する. この膨大な売れ残り・食材食品を廃棄することが,日常普通事となっている. スーパーの残り物は 闇に隠されて見せず,その量はお化けである. 日本の都市においては その都市規模に比例して その生鮮食材の廃棄量は増え, 日常的に 起こされているのである. それが どれだけ‘モッタイナイ’のか, どれだけ 社会生産価値を無駄にしている・廃棄しているのか, そのことにより 社会的生産力を 無駄遣いし, 労働と資本の有効な使い方を無駄にしている.

このことは, 生産者と消費者自身の無駄なき作為と 流通機構の合理性で かなりの部分 解決できる. 《市場機能を持った集配センター》が 首都圏にできることは, 市場における品質評価・適正価格設定された信頼できる商品を, 1~2時間圏内で配達できるのである. この集配機能を持てば, 大小の小売り業者は 仕入れ数量も 適切に設定して 買い入れることができるようになろう. 公設の集配センターの位置が見えよう.

 

 

C; 市場機能を持った《公設の流通集配センター》の設営方法

その仕様Specifi cationをセンター機能として 過程順にみてみよう;

S1; 品定め・小売値を決定機能

同種梱包の大規模な量の商品の取り扱いとなる. その時期々の・産地毎・出荷時に, 競り市場に掛けて, 取扱量を経営市場参加認定者側で 品定め・小売値を決定する.

S2; サイト開示の有用性・重要性

それを 品定め;市場による等級・認定証明し, この評価内容を付して一覧表にしたサイトに開示する.

S3; 日毎の在庫数と 買い付け個数による価格ランク設定の公示

市場には 大手小売り業者・一般小売り業者Retailer, そして 個人消費者Consumerも サイトを見て 参加する. しかし 双方の仕入れ個数は 格段の差がある. したがって 《市場機能を持った集配センター》は, その価格を開示し,サイトに表示するには, 購入個数段階別の 価格設定となろう. 一方,一般消費者には, 既に 中央区立で《場外小売り店街》として設立されている.

S4; 大手・一般小売り業者, 及び 一般消費者の買い付け契約

このサイトを見ながら, スーパーなどの大手小売り業・一般小売業, そして一般消費者も買い付け契約をする.

S5; 搬送

この買い付けされたものを 集配センターの在庫から 都内各配送先地区に搬送し, 各マーケット・自宅配送をする. これにより 全体の流通システムは 合理的に設計され, 流通コストも下げられ, その分 小売店舗も,消費者も得をする.

生産者・運送者・仕入れ・買い入れ集配者・消費者, この四者にとって得となる. 商いの成功の条件である 《近江商人の教え 三方得》は, 現代では 運送・集配者も入れて このシステムは四方得!となる.

 

どうだ. これならやれるのでは!

 豊洲 《市場機能を待った集配センター》にして.

 東京都公設による 品定め・市場商品のサイトを経営するということ.

これならば 豊洲 再計画して利用でき,

このことにより, 現在の流通機構に 社会益と成し,

  1000万都民の台所を預かることができるような

    生産・流通・消費のシステムとなり,

今後100年ぐらいは

    必要不可欠な社会システムとして位置付けられよう.

  それが 豊洲再利用計画である.

 

(2017/03/23完)

都知事宛提案補足+1/14 安心と安全,社会認識の操作大魔神

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書 補足1/14終】

補足; 「この世は修羅なり」ということからの蛇足. 但し この部分は 提出文書にはくっつけない.

 

科学と社会の受け止め感覚・認識操作

築地・豊洲問題と関わっての 政治家・マスコミ登場科学者の発言・認識について,いくつかコメントをしておきたい.

A;「汚染地下水は 使うわけではないから この程度なら大丈夫」

こうゆう発言をされる科学者・元都知事がおられる. その人の認識がこういうことであるのだろうが, これに一言批判しておきたい.

豊洲地区は ベンゼン・シアンなどの 揮発性の猛毒物質含有の汚泥土である. 前述指摘のように《護岸・建物床の筒状におけるポンプ現象》により, 常に土壌・コンクリートから漏れ出て, 何十年も建物内気を汚すのである. 豊洲の汚染の この冷厳な科学的なfact;事象・事実を軽視している.

 

B;「安心」と「安全」 あるいは 風評と客観的状況

 従業者・消費者の安心 その安全という冷厳な客観的状況に基づいてつくられ, その反映である. 根拠のないところに立つ風評とは異なる. 日本においては 原発事故を起こしたにもかかわらず, そのときの言い草と同様に,安全を最優先担保としないで, 科学者・技術者,機関等によって,「科学的に見て大丈夫」と言わして,安心を創作する. こういう 事実factと洞察insightなしの 行政依頼によるマスコミ誘導型の科学者を 過っては「御用学者」と言っていた(戦後のイディオロギー闘争盛んなりしころに流行っていた言葉). そして マスメディアがそれを‘アタカモその通り’といわんばかりに報道する. そうなると, ‘科学者が言っているから大丈夫なのだ’と 民衆はそれを単純に信じる. そして世論がつくられる. 民衆;マスコミに覆いかぶさる, こういうのを 科学技術の大魔神(「俺様の言っていることだから正しいとする,絶対真理の顔をして押しつけること)というのである. こうゆうマスコミ操作手法が 日本においては 戦後から長く つくられてきた. 科学技術に対する 風潮づくりである. 原発がそうであり, 今回は 豊洲の汚染問題がそうである.

消費者の安心’は,その行動選択に関わってくる. それは マーケンティングの最も重要なポイントである. 消費行動で選択されなければ, そのお店は潰れるのである. 食品扱い店;市場経営者にとって ‘安心’は 単に 消費者の気持ちの持ち方の問題ではない. そもそも 揮発性の高猛毒の汚泥がある土地の上に建物を建てますか, それが揮発発散する屋内環境で 生鮮食材を扱えますか.生鮮食材店,あるいは レストランを建てますか. そういうお店に買いに行きますか.食べに行きますか.それと同じことである.

 

C;さらに 付け加えるならば, 「築地も汚染しているではないか」というイヤラシイ都議発言について

オット待った. だとしたら, それを放置して市場開設をしていた,そして 築地の改築を途中放棄して,20年間も放置していた都の責任はどうなのか.

また, 敗戦占領し,その駐留米軍による, 築地地区のクーリーニング施設による汚染をもって, ‘築地も豊洲と同じではないか‘と同列して 現在 市場として利用している築地を貶め, 豊洲汚染を良いとする‘その意図は; ‘築地は 銀座隣接の最後に残された一等地である. ここを閉鎖して売却すれば,高値で売れる’という魂胆を隠したままの発言.

マア 慌てるな. 築地は 開放市場で, 毎日 床を海水洗浄で 空気汚染も 土中滲み出し汚染もない. それこそ 心配ならば, 築地も再調査・検査の提案をなさればいい. でなければ, ‘アンタ イヤシイねえ’となるよ.

ここからはマジで; 必要ならば, 築地の再計画に, 基準越え汚染の可能性がある土壌に対して, 地下トンネル工法による除染をすることである. この除染事業費の負担は, 当然 その責任がある お国でしょう.

(2017/04/01完)

豊洲市場の廃棄 築地の再生を No9-10これは1000万都民の台所が 現未来400年関わるミッション

【ブログその9】

ゾンビ設計者と都為政者の姿勢

 

途中放棄ゾンビとなった【A最悪没図】の設計者(依頼と作業集団の両方)には, こうした建築法に対する教養もなければ, 発想の基盤もなく, 構想の核心をとらえる優れた目もない. 況や 「お殿様気取り」の元都知事がいう 「豊洲の汚染は現代科学技術で解決できる. 移転をしないのなら,不作為の罪に訴えるぞ」と言っているが, 現代の科学技術を知っていない無知モロダシである.

★築地を視察して 当時の都知事の 唾を吐いたような言動「古い,狭い,汚い」というセリフは, 汗水流して使いこなして築き上げた 築地の歴史的な建築価値も分からず, 生鮮市場の建物ということでの 蔑視感があるのではないのか. 「汚い建物で,汚い服装の労働者のやる・汚い作業」の建築でいいという蔑視感. その上に 豊洲においては, ‘土地が汚染していても 安ければいい’という浅はかな商売人たる都幹部と都知事によって, 豊洲の死地を買って ゾンビ市場を建てた.

公費を使って 豪遊に等しい海外視察, あるいは 遊行に等しい豪華飲食振る舞い等・・・,一方では週2~3回の登庁で‘よきに計らえ’という姿勢. これでは 自分の地位立場の利益を優先する‘薄汚い人間’ではないか. その下で 都首脳部はそれを見倣い, 幹部集団は 適当に忖度して インフラ行政をする. 担当部下集団は それを 率先して実行する. それを入札・落札して工事をする建築業者,汚染除去業者も ‘ヨッシャ 儲けた!’で進める. この土地整備・建築過程には 全く 査察・点検機構が働いてない. 「保育園落ちた.日本死ね.」ではなく, ‘都は落ちた.都は死ぬ.である.

 

 

 

    最後に一言;

   豊洲市場移転中止・築地市場再生のために;

 

A; 現築地開業者は, 諸手を挙げて反対;私は移転しませんと意思表示をした方がいい. 現開業者には,営業既得権があり, それを 都民の台所が見つめている. そうすれば, お殿様やドン&横柄集団の力には負けない. そしてこの豊洲移転事業を廃棄して, 築地を増改築をして発展させた方がいい.

そのとき 上記で紹介した《森山設計構想》は優れているので 候補として取り上げ 参考にして 設計コンペをやり直すべきである.

★都が築地市場を廃棄して,豊洲に移らせるというなら, 築地がある中央区 この市場土地を買い取ればいい. 建物価値は 都は移転取り壊しを前提にしていたのであり, 売買評価対象とならない. 築地市場の増改築費用は 建築エコノミスト森山方式で行えば, 現行の市場を開場営業したままで, 建築できる. 土地購入費・増改築費を合わせて 市場開設費用は, 豊洲市場の土地・汚染除去・建築費用6000億円をはるかに下回って可能である. 市場会計は独立して成り立っていたのであり, 中央区も 市場開場し,その使用料と,区債発行して 順次10年掛けて返済すればいい. 築地市場は 大変優良な生産企業連合体なのである.

 

    なお, 最悪の場合, 豊洲市場も開催されて, 豊洲・築地の両立競合となっても, 豊洲はゾンビで,市場廃止となり, 築地は発展する. 東京都は そういう事態ともなるということを, 肝に銘じて 判断してほしい.

 

B; 築地の米駐留軍のクリーニングによる築地地区の汚染問題について;

   除染は, 国の責任と負担で除染すべきである. その方法は 建物の地下土壌を トンネル工法で掘り出し,洗浄・脱硫・高温燃焼消去すればいい. 築地市場建物は 低層であり, この工法でやれる有利さがある.

 

C; なお 豊洲市場建物使用の場合は その改築が必要となる. その方針は;

   設計説明詐欺行為となった地下空間がある. この空間を使って, 建物地下空間すべて,水泳プール並みの器張りに改修する. そのうえで 地下汚染土壌は, 上記のトンネル工法で, 完全除去を図る.

以上の方法による豊洲市場改修・除染費用は, これまでの 土地購入・除染・建築費等に 加えて更に 数千億円は上積みとなろう.このことを覚悟の上で, 築地か豊洲かの判断を 都はすることになろう.

 

D; その豊洲中止・廃棄費用と,新たな築地改築費用の負担は, ドデカイ経済・行政事件として取り上げる.

D1; 汚染の責任者東京ガスは 『土対法』違反で訴え, 談合疑惑を暴き, 関係建築事業者の鹿島をはじめとした数十社には 入札談合違反で訴えて 割合返金させる.

D2; 残りの部分は, 都の責任であり, 都財政から出すしかないが, 実行責任を問い, 当時の施政当事者にも それ相応の責任をとってもらう. 担当部局トップは, 天下り汚職で訴え, 旗を振って 全く分別もなしに 格好つけで大いに推進させた当時の知事も訴える.

  

 

【ブログその10】

 

   公共事業インフラの不首尾; 行政判断過失・瑕疵についての法的対応

 

ここまで高度に発達した現代の市民社会において その行政に求められることは, 市民・国民・民族の多数者の幸福を保障することが責務であり, その行政上の無作為という失敗も含めて,厳重に監視されて 評価査定され, 議会で問われ, 司法でも裁かれ, 関係当事者(集団)は 責を問われる.

そこに利害が関係すれば, そこで発生する経済的な損失の弁償に対しては, 法とシステムを新たに構築して為すべきである. 東京国立市のマンション建築差し止め問題で, 責任を不当にも問われ, 元市長に個人弁償を支払う司法判断がなされたが, 全く この司法判断は間違っているか, あるいは 現法律の不備である. 今回の豊洲市場建築問題でも 豊洲中止・築地増改築の方針をとるならば, こういう問題が起こる.

  二つの法的な指導力の確立を

A; 情報開示法と, 議会・行政に対する, 常時の市民より選挙で選出された 独立した専門的な委員制度による査察を 情報開示の実行システムとして設けること. 三権政治に加えて もう一つ 市民監査権である.

B; 合わせて 現代の行政行為の評価判断と, その実行・不作為という実行も含めて 行政の瑕疵に対する保障のあり方では,「行政瑕疵担保保険」など 新たな立法が必要である.

今回の豊洲市場移転問題は, その教訓を踏まえて,そういう 発達した市民社会の 今後の現未来行政の歴史的発展にも関わる重要な問題ともなる. そうしなけらばならない.

★東京都を相手にして 2012年5月に起こした豊洲土地購入不正問題の住民訴訟は,その判決がどう出されようと, 裁判過程での主張が重要である. これによる社会世論の形成として 社会変革力を得ることになる. 上記のような 今後の日本の行政の実行システムの改変構築にもつながるよう,期待したい.

 

(以上/2017.3.09始→2017.03.17完)

豊洲市場の廃棄 築地の再生を No8築地市場の機能的建物は 世界的な建築遺産

【ブログその8】

  1. 築地市場建築物 その建築歴史的位置付け

中止となった設計案では, こうした発想が全くなく, 現行スーパーマーケットにおける売り場・駐車場の配置と同様の 《方形詰め込み型》となっている. 彼らには フラクタルという 形の機能性; 流れの幾何学’の建築教養が 全くない. フラクタル幾何でいう‘造形の機能性’という建築思想は 現代の世界の建築の主張でもあるのだ.

 

A; 築地市場建物は 現代建築のモダニズムの歴史と関わる建造物である.

Wikipediaより; モダニズム建築(モダニズムけんちく、英: Modern Architecture)は、機能的、合理的な造形理念に基づく建築である。産業革命以降の工業化社会を背景として19世紀末から新しい建築を求めるさまざまな試行錯誤が各国で行われ、1920年代に機能主義、合理主義の建築として成立した。19世紀以前の様式建築(歴史的な意匠)を否定し、工業生産による材料(鉄・コンクリート、ガラス)を用いて、それらの材料に特有の構造、表現をもつ。グロピウスのバウハウス校舎(1926年)、ミース・ファン・デル・ローエバルセロナ・パビリオン(1929年)、ル・コルビュジエサヴォア邸(1931年)などが代表的な作品である。」

この流れの建築は, 第一次世界大戦後のドイツのバウハウス運動から, 現代建築の大きな流れとなっている. 日本で建築されて見られるのは, ル・コルビュジエだけでなく, フランク・ロイド・ライト, アントニン・レーモンド等の建築があり, また 多くの日本人建築家が, 丹下健三等 国際的にも高く評価されている. 日本は 優れた現代建築のつくり手が輩出しているのである. 住居の日本建築では 吉村順三もいる.

これらの建築に見られるように, 現代では 機能主義という造形思想は フラクタル幾何を重視評価しているのである. その典型を 丹下健三の《懸垂線釣り天井・貝殻構造の代々木国立体育館》に見ることができる.

それを 今回のブログ論文『建築エコノミスト森山 築地市場増改築構想案』で教えられた. 住居でも, 教会・競技場等 人間の生活・活動ではなく, 築地市場建造物は, 生鮮市場という流通作業場建築物である. 築地市場建造物は, こうした産業建築において, その機能主義を鮮やかに示したフラクタル建築であり, 空港建築には従来から見られたが, 世界的にも貴重である. 転換・交換物流の作業場形状として, 世界的にも大変優れたlegend建築である.

 

B; フラクタル図形となった歴史的根拠

   築地市場建造物のこのフラクタル形状の成立は, 机上プランによってなされたのではない;そこには歴史の試行の中から, 選び抜かれた最適形状の積み上げによってなされたものである.ある

   築地市場は, 関東大震災という 大都市未曽有の災害に見舞われた首都再建のために, 後藤新平らが 心血を注いで成し遂げた復興の心臓部である.

   弧を描いている競り場や仲卸がある主な建物は, 旧国鉄東京市場駅が存在したことが大きな要因となっているが, それをトラック便主体の輸送形態に修正して, 多数ポートを機能的に接続して 現況の形態となった.

   こうした《円弧競り場・配流ポートの接続形態》をコアにした

   現況の築地市場建物設計は, 20世紀現代の建築思想である機能主義の歴史から見るならば, 住居ではない建築;物流建築における 世界的にも大変優れたlegend建築となっている. それが 今だ現役で利用されている. 産業建築物の世界遺産と言ってもいい. それくらいの優れものである.

   世界的にも有名となって 観光客も多数押し寄せるという築地市場は, 日本の多くに見られるような巨大な方形のスーパーマーケットであったならば, そのようにはならないだろう. そこに 時の条件にも適合し, 使い勝手に改良をして,歴史的に積み上がられて生成された最高機能図形たるフラクタルであるからである. フラクタル図形とは その造形は こうした改良行為の歴史的積み上げによってできあがる. この造形は, 過去・現在の市場労働の汗水の結晶といっていい.

 

C; 首都1000年構想の築地市場でありたい

既に建築されている豊洲市場建築物は 生鮮食品市場としては相応しくない. その危険性から使えない. そして 設計建築が, その機能性において 使えない(使い難いを超えて)最悪のゾンビ建築である. これを廃棄すること, 築地市場建築を 増改築すること. そのを設計コンペをやり直してほしい.

遷都江戸建設の太田道灌等から始まり, 関東大震災から東京市を復興させた後藤新平等の 都市構想の歴史を感じとってほしい. 400年の歴史から積み上げてきた都市建設の魂を継承してほしいのである.

築地の再構想増改築案は,

   ‘今後1000年発展する 1000万人都民の台所を預かる都構想’

である. そういう腹構えの事業でありたい.

 

豊洲市場廃棄 築地の再生を No7建築エコノミスト森山構想は素晴らしい!

【ブログその7】

 築地市場増改築に対する

 森山構想プランの 大変優れた発想

 

  1. 転換物流作業が設計の核心

生鮮市場というのは, セリ売り・買い付け・集配・出荷という転換の物流作業が設計の核心である. この作業工程が最も合理的に為すことを設計戦略のprincipleとして設計すること. フラクタル図形とは, 作業量を最大効率で最高の事業を為す造形に進化させた作図方法である. 建築エコノミスト森山は このフラクタルに着目したところが素晴らしい.

 

  1. 実際の作図法にみる 最適機能性

建築に当たっては 最高効率の最大作業量を為す 最適造形がある. それがフラクタルの建築法・造形作法の核心というものである. その基調を述べてみよう;

フラクタルは 造形の基本となる 作業過程の流れ・物流を解析し, その最適形状を探究する. その核心は 【Bコア図】【Cコア図】に見られる. これを 建築エコノミスト森山は 見出したのである.

 

A; フラクタルの多くは, 自己相似形の再帰性過程でなされる. 作業数列前項の図形をもとにして, 多くは相似形で接合足し・積み上げをしていく. 森山構想では 【Bコア図】を重視し, これを建築コアにして 増築では, 円弧を伸ばして,回転接続でなしてはどうかと 構想検討した.

このコアとなっている円弧形状のフラクタルは, 数百の同時・逐次に行われるセリ場に 商品を運び,並べ, そこに 仕入れ人が一つ一つ吟味して, セリに参加する. セリ落として品物は, 配送上に運ぶという作業過程を最も合理的に進める形状をなしている. 扇型状の生鮮品置き場は 配置・競り・配布の作業過程では,最も合理的で, 最適型状である. これもまた フラクタル図形である. 日本のスーパーマーケット形状の格子状では 決して為せない. 全体の円弧と合体してFraction;小片部分で扇形に接合していく図形は まさに フラクタル幾何図形である.

   こうした造形は, 築地市場建築当時の設計者と市場関係者との協同の成果である. 建築におけるフラクタル図形の造形は 実際には こうした汗水流した労働と, それへの真摯な受け止めによって 透徹した科学によってもたらせられるのである. このことを教わった.

 

B; 更に 森山構想では, 集配・荷受けする車の駐車方式を 櫛形ポート方式にした【Cコア図】を重視する. この図形は, フラクタル図形の一つである. ここでも この形状設計は 最大流量を最も合理的に配流する図形の一つとなっている. 櫛・エラ・フィン形状と それを付けた何本かのポートを円形に集合させた図形は, 《物質流の転換・変換点に現れる結節の形状》は その‘最大ず効率・作業量への進化’というフラクタル形状である. 建築エコノミスト森山が挙げている事例;F1~F2肺胞,神経シナップス,エンジンのシリンダー等のフィン,織法における九十九折等, 変換形状に共通したものである.

  

C; 建築エコノミスト森山構想案の大事なところは, このB・C二つを結び付けた形状を 現行の築地市場配置に見出し, それを基調にして, 増改築案を構想したものである.

   コアBとCが連結して, 〈1万点物と数千人の判断行動する流れ交換過程;配分・転換と配送の過程〉を最も 合理的に;最大作業量を裁く 最大の効率の形状としている.

 

  1. フラクタル増改築にあたっても その作業工事の流れ;工法も重視する.

   森山構想では 《ローリング工事》と称した方法で 増改築構想をしている; これならば 現行の作業を中止しないで, それを続けながら, 増改築建築が為せる.工事を現業を続けながら, 円弧競り場が増新築がされ, それが完成したらば, 3分の一ずつ セリ場を 増新築競り場に移し, 順次玉突きで,競り場を取り壊し改築すればいい. こうした工事作業もまた, 前作業・造形を活かして次を積み上がるという流れ構築であり, フラクタル流儀である. 実際の生物種進化・生体内臓器細胞の改編では, そうやって増改編が為され, より適合した進化と改良が積み上げられたのである. この点でも 森山案は大変優れている.