生命 自然の交流/共同のいとなみ

エクセルギーなLife&Housingラボ(NPO) 自然の循環性に生きる生活と住まい方/営みの提案交流ブログ

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書1/14】

 

小池百合子都知事貴下

《市場のあり方戦略本部》殿

投書『築地・豊洲市場問題の最終解決案』

投書者; 【NPO法人多摩地域環境共生型まちづくり協議会】

               グリーンネックレス

       所属 エクセルギーハウス技術開発研究所

       住所; 東京都 小金井市,及び 府中市   TEL; 略

 

 

築地市場の再生と

   豊洲の利用計画の変更

 このブログ『築地市場の再生 豊洲の使用変更』シリーズの最後の記事として発表し,

東京都;小池百合子都知事貴下《市場のあり方戦略本部》に提案したい.

 

豊洲市場は 6000億円の多額の公費(築地市場会計より)がつぎ込まれて,既に建築が終了し, 開場;いつからでも使用開始となれる状態である.

しかし 豊洲市場は 余りにも ズサンな行政の建築インフラ計画と実行により, 高度の汚染が残り, 加えて その市場設計は, 生鮮食品を 毎日数万点にも上る品物を 競りという売買行為によってなされ, 数千人同時作業行動を流動させる市場としては,使えないものである. さらに 見落とされている,膨大な量のコールタール混合泥土の軟弱地盤上に立つ建築として,耐震性にも問題がある.

それで 豊洲地区建物の利用計画を再検討する.

同時に 現築地市場は, 開場営業をしながら工事可能となる 再生構想・計画を提起する.

最初に この提案の骨子を示し, 次ページにその概要を示したい;

 

  築地市場の再生  及び 豊洲地区建物の利用計画変更

築地は

  競り市場の仕様建築で建て替えして 再生させる.

   ★市場営業しながら,工事を行うことを条件にして コンペをやり直すこと.

  

豊洲の建物は

スーパーマーケットなど 大手小売り業者,及び 消費者個人に対して

   《品質評価・価格決定等の市場機能をもった集配センター》として利用する.

  ★ただし 汚染防御・除去の本格的な再工事をすることが条件である.

 

※次号以降に14回シリーズで 提案文書全文を掲載する.ご教示と共同行動を!

 

築地・豊洲問題 都知事宛提案文書2/14 築地は 競り市場の仕様建築で再生させる.

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書2/14】

築地は

  競り市場の仕様建築で再生させる.

築地は 90年掛けて 競り市場として もっとも機能的な形態で成したものであり,

     建築史上も 高く評価される世界的なレジェンド建物である.したがって

〈円弧接続ポートのフラクタル図形様式〉となっている競り市場仕様の建築物を

この様式を維持して 増新築する.

 

    この工事については 既に大変優れた提案がなされている.

 その提案者の『建築エコノミスト森山』によれば;

  競り市場円弧を三分割して

 一円弧分を増築円弧に順次移して,回転接続させる工程方式

 を採るならば, 築地は開場営業しながら, 増改築ができる.

この構想・工事方式も含めて 再度コンペをし直すことを求める.

                                                                                          ※【図資料Ⅰ】参照のこと

 

※『建築エコノミスト 森山のブログ』 「築地再生計画はじめました⑬」より, 画像引用

築地の再生建築プランニングで, 最初に紹介したい設計図は 次の通り;

★この設計による築地市場の再建は 工事作業を途中で中止して 没となった.

   何が問題であったのか,これを究明しないで,豊洲市場建物は, この【築地市場最悪没 設計図】を そのままコピーした.だから 同じ問題が 豊洲でも起きる!

 【300億円を掛けて工事をして 途中で投げ出した最悪没設計図】

 

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1)物流センターをイメージして設計されたもので, 全く 日数万点を扱う市場設計ではない.

市場の作業過程と作業動流線が解析されて設計されてない. そのために, 実際の数千人の

 同時作業では.混乱し, 作業停滞・不能に陥る. 人・物流の解析による最も合理的な形状は何かを探究してない. これは 物流集配拠点の設計プランニングであって, 市場機能を持つ中央卸市場の設計ではない. 豊洲はこの物流センター様式で 4階建てにしたそうだ.

2) そのために 移転業者を限定する. 現築地利用業者の切り捨てをしないと運行できない.

3) 現築地市場建物を取り壊し,更地にして建て替える工程であり, 営業を続けながら増改築ができない. それで 現況作業と関わる工程時点で, 建設中止となった.

  次号に 『建築エコノミスト森山プラン』を紹介する.必見!ご期待のほどを.

築地豊洲問題 都知事宛提案文書3/14 築地の再生計画 建築設計プランニング

 【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書3/14】

   築地の再生計画  建築設計プランニング

 

  《建築エコノミスト森山》の提案を 二つの図A,Bによって紹介する.

A;設計プラニングするにあたり, 注目し,仕様の核心としたもの;

         築地市場現況のコアとなる部分の俯瞰図】

 

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 日数万商品・数千人同時作業の〈競りによる市場流通システム〉を可能とするように, 作業量・効率最大化を図る《円弧・ポート接続というフラクタル図形様式》で設計されている.

1) 市場の流れ図

   作業流動過程; 生産者搬入→荷降ろし

                →競り陳列→ 競り

                  →買い付け品場内搬送→車両ポート→買い付け人車両による搬出

 この流れで 数千人が同時に作業できる.

  汗水を流して この造形を創りあげ,年季で磨きがかかっている.

2) このような市場の流れを設計するにあたり, 人・物流の流量・流率最適な形態である《フラ クタル図形建築》と言われる様式が 最もふさわしい. 現代の最先端の建築様式である.

世界において 現代建築では, フランス;ドゴール空港等でなされている.

それを 築地は 関東大 震災の復興で基本を成型し, 築地市場90年の年季によって形成されたものである. まさに 世界に誇れる 現役稼働のレジェンド建築である.

築地豊洲問題 都知事宛提案文書3-2/14 築地市場の 再生 建築設計『森山プラン』

   【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書3-2/14】

  このフラクタル様式によって設計されたプランが次である;

    築地市場 再生  建築設計プラン

 

   【建築エコノミスト森山の設計プラン 全体俯瞰図】

 

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1)現行の建物の円弧を三等分して, 順次増築円弧に移して工事をする.

  したがって 市場を閉鎖・  一時移転をしなくても, 営業しながら増新築が可能である.

2)豊洲のように 現行業者の切り捨てもなく, 円弧45度分の増築により, 競り市場キャパシティは 参加業者数・商い量を およそ4/3=1.3倍に増やせる.

3)この建築費の見通しは, 豊洲土地購入・建築費用6000億円の 何分の1で可能である. 現役業者の負担も 圧倒的に少なくて済む.

  ※‘10分の1の600億円前後ぐらいで済む’という

           専門家委員の発言も報道されている.

4)築地再生建築は, もう一度 《公正・公開・適正価格》な設計の

       入札コンペをすべきであろう.

  豊洲現建築の落札率99.5%では, 入札制度の機能が働かない.

      行政上の瑕疵に等しい.

 

築地市場の再生についての 参考資料

築地市場は 大変優れた市場機能と建物機能を持っているので, 営業しながら増改築して再生させるような,再生計画構想では 上記紹介の《建築エコノミスト森山》方式は, 大変よくできている. フラクタル図形様式についても 建築学的な解説されている.

素晴らしい構想プランニングを為されているので,そのブログを直接にご覧頂きたい.

   15号に渡り, 豊洲市場建築の解析を為されている. 必見!

「    建築エコノミスト 森山のブログ - アメーバブログ

ameblo.jp/mori-arch-econo/

建築エコノミスト森山(公共事業建築評論)さんの

ブログ「建築エコノミスト 森山のブログ         」

※合わせて 築地の再生については

   拙ブログでは このブログの以前のシリーズ【豊洲・築地問題シリーズ】の1~10をご覧頂きたい.

築地豊洲問題 都知事宛提案文書4/14 豊洲利用の前提;土対法上も許されない この凶悪汚染

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書4/14】

豊洲の建物は

スーパーマーケットなど 大手小売り業者,及び 消費者個人に対して

   《品質評価・価格決定等の市場機能をもった集配センター》として利用する.

 

豊洲利用には 先ずは 再度の本格的な除染工事を!

  この豊洲再利用計画は 豊洲地区の除染をやり直さないと利用できない.

     これが豊洲利用の計画変更の前提である.

 

豊洲の汚染問題のすべての出発点となる 冷厳に突きつける客観的な資料がある.

                                                                                         ※【図資料Ⅱ】参照のこと

次の図資料は, 法学館憲法研究所  info@jicl.jpに引用されたものを転載した.

原本実物は水谷さん等の著書『築地移転の闇をひらく』(大月書店)をご覧ください.

一級建築士の水谷和子氏の作成された【10mメッシュ豊洲汚染地図】である.

〈水谷氏が数万枚の開示資料から作成した図面だ.色が付いているところは全て 何らかの汚 染が環境基準を超えているのだ.文字通り,汚染は敷地全体に広がっている.〉

 

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都知事宛提案文書5/14豊洲の地下・土壌の状況把握は 設計において不可欠だが

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書5/14】

 豊洲地区の土壌汚染は 表層だけではなく, 水難透過性の粘土層(深度10m前後)の間まで コールタール混合汚泥土として ジタ~ッと拡散している. これを捉えないと 除染はできない.

※これもまた 一級建築士の水谷和子氏の作成された

   豊洲市場建物・地下深度概況図】である.

 

 

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A;この図を重視していただきたい.後述するように,豊洲建物が このことによって コールタール状泥土層に《ピロティ方式》で建てられていると同様であるとの指摘は,建築エコノミスト森山によってなされている.

地下空間も入れて実質5階建ての中層建築で,ピロティ方式の駐車場建設と同じく,耐震性の強度査定が必要となる.監督する立場の都自身が為すべきことである.

 

B;さらに この構造を見ていただければ読み取れと思うが,干潮満潮の海水面の上下によって,サイホン原理で 建物内部においても 海水面の上下運動が起こり, それが 建物の閉じられた地下空間によって  《ピストン・ポンプ現象》が起こる.このことによって,地下土壌の猛毒性物質が 屋内に押し出し・拡散される現象が生まれる.これが 汚染調査で 数値が今だ 高止まりの原因の一つであろう。 膨大な量のコールタール状猛毒物質を取り除かない限りは, この汚染拡散は続く..

上記 及び Bは 豊洲利用判断の重要な前提と関わるので, 改めて 節を設けて考究する.

 

※以下は 【法学館憲法研究所】のサイトより転載したものである. 大変わかりやすい.

「地下空間は汚染が露出しているのに近い状態ですから,危険で無い訳がありません.最近の調査で,空気中の水銀が換気後も国の指針を超えてしまう事が分かりましたが,地下水由来の汚染と公表されています.調査で見逃された汚染源が地下水を汚染し続けている証拠です.揮発性の汚染物質は他にもベンゼンやシアン化合物などがありますが,最近の調査で何れも地下水から汚染が検出されていることが分かりました.これらも汚染源が残っている証拠です.中枢神経毒,発がん性,催奇形性毒など,環境に放出してはならない毒性です.  都は地下空間の換気をすれば大丈夫との結論を出そうとしていますが,永遠に換気を続ければならない市場とは一体何なのでしょうか.これには仲卸さん達も怒り「(工場由来の)汚染は全部除去すると,ずっと言っていたじゃないですか!」と抗議をしています.   」

築地豊洲問題 知事宛提案文書6/14豊洲の耐震性にも 重大な問題

 

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書6/14】

 

豊洲市場建物の耐震性にも,専門家から 重大な問題が指摘されている.

 

それは 日刊ゲンダイ 2016年10月17日付報道の「森山高至氏へのインタビュー記事」である.

   ※ブログ『湯沢平和の輪』の又引きで申し訳ないが以下の通りである.

――建物自体の強度に不安があれば、移転どころじゃなくなります。「食い違い」とは、水産仲卸売場棟4階の床に敷かれているコンクリートの厚さが実際は「150ミリ」なのに、構造計算書では「10ミリ」になっていた問題ですね。床の広さを考えると、実際の建物には推計1300トン超のコンクリが加重されています。

  構造計算書の耐震強度が実際にはクリアしていない恐れがある。構造計算は2005年の耐震偽装事件以降、「ピアチェック」と呼ばれる第三者機関による二重検査が義務づけられました。豊洲市場は都自身と公益財団法人「防災・建築まちづくりセンター」の2カ所でチェックしましたが、両方とも「10ミリ・150ミリ問題」を見逃したのです。

  ――そんなことが起こり得るのですか。

  チェックしていない証拠でしょう。以前は豊洲市場のように自治体が建築主の場合、建築確認は「計画通知」だけで済んだ。単なる「通知」だから審査はありませんでした。耐震偽装後は計画通知もピアチェックを受けることになったのに、今回の二重の見落としは都の審査体制そのものに疑義が生じます。

 ――地下も相当、特殊な構造のようですね。

  そうです。構造計算上は「地上4階建て」と設定し、地下を無視していますが、実態は1階部分が地下にズドンと落ち込んだ「5階建て」相当と見るのが妥当ではないか。しかも、地下の空間は土留め用の「擁壁」で囲っているだけ。しっかりと耐力壁で覆われた「地下室」とはいえません。地震が起きたら、土砂崩れが生じる恐れもあります(別図)。

 ――建物が高下駄を履いて、宙に浮いているようにも見えます。

事実上は1階の柱だけを残し、駐車場などに利用する「ピロティ式」の建物と同じ状態です。熊本地震でもピロティ式の建物の柱が折れ、1階がつぶれる被害が相次ぎました。構造問題は真っ先に検証すべきです。      」

 

  豊洲の耐震性 もう一つの重大発見

 

上記,一級建築士の水谷和子氏作成の【豊洲汚染深度概況図】を見て,気が付いたことを述べる;

低層4階建て(実質5階)ということで, この地域の岩盤まで 支柱を下してなく,

  地盤は, 埋め立て地で, 外から運んだ軟弱土砂で埋め,

  それに 石炭残渣コールタールを加えて混ぜれば, この土壌は永久に固まらない!

こういう地盤に建築した豊洲市場建物は 泥地盤に建てたと同じである. 地震時にさらに液状化して, ピロティ式の地中支柱は, 揺れて その役を果たせなく, その揺れが続けば 折れる.

 東京湾深部で 震度6以上の地震発生は 100年スパンではどうなのか;

中央卸市場の建設は, 100年の計である. この100年スパンの単位で見通せば, この東京湾深部が 震度6規模以上の地震に見舞われる確率は かなり高い.

根拠はこうだ; こうした規模の震源地は, 関東大震災(94年前の1923年M7.9)を起こした東京湾深部も含めて, 関東地域では 6カ所ある. これが この70年間どこも起きていないのだ. その地殻エネルギールは 解放されていないということ.安政江戸地震(M 7.0〜7.1)は, 162年前の1855年である. この前後に 東海・東南海トラフに関わる大地震も連続して起こっている. 東京湾深部地域に関わる 震度6以上の地震は 他人ごとではないのである.

 

豊洲利用の判断の前に, この液状化傾向の軟弱地盤の上に立つ, 豊洲市場の建物の構造強度解析を 必ず やって, それを公表していただきたい.

 そのとき 構造強度計算上は, 豊洲の建物は,地下空間部分も入れれば, 5階建てであることをお忘れなく.

《姉葉耐震性偽装事件》とは言わないが, 軟弱基盤にピロティ方式で立つ豊洲市場建物には 少なくとも震度6台で,大丈夫なのか 検証してほしい. 関東大震災時に, その復興の役割をもって建築された築地市場のように, この関東地域における 今後100年間,この規模の地震災害が起きても, 関東地域の復興の役割を果たせるように 生鮮食材の集配センターとなってほしいのである. 陸上輸送流通が 不可能な時は, ここには 海上輸送も可能である. そして何よりも, 昼夜24時間稼働して, 数千人が働いておられる中央卸市場である. 一人も一人も死傷者を出さないでほしい.

豊洲市場建築のこのままでは, こうした災害が起きっとき, その甚大な人的被害に対しての行政上の瑕疵が問題となろう.

豊洲設計は 余りにも無頓着・無思慮である. これもまた 落札率99.5%に見られる, 公共建築の‘依頼者側のプラン要求’のなさの反映なのであろう.

都知事宛提案文書7/14豊洲利用 土壌と建物設計で 重大な2つの間違った認識

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書7/14】

豊洲の計画変更には

豊洲地区利用の土壌・建物両方における 次の2点の間違った認識を変えることが出発点

 

A; 豊洲地区の汚染の度合いを甘く見たこと.

    それだから 除染作業を糊塗するレベルで済ませた.

豊洲地区のコールタール状の超有害汚泥土は, 東京ガスが32年間 石炭から燃料ガスを取り出す工場を稼働させ, そのコールタール残渣を豊洲地区土壌に流し込んだのである. 汚染状況の把握,したがって その除染工事のすべての出発点は, このコールタール状の汚染泥である. その量は, 計算で○○ にも上る.

A1;どこに・どれだけ・どのように 流し込んだかを東京ガスから 資料で出させることが 出発点である.

 そもそも この資料を出させているのかどうか.

A2; 2002年に制定された『土壌汚染対策法』に関わての 今回の豊洲市場建設問題は 東京都の指示・指導, 土地取得交渉と その後の除染の義務をどうとらえていたのかが問われ, 自らの行政査察が必要であろう.

Wikipedia;「(目的)近年、工場移転によって跡地の再開発をすることが多くなったが、工場跡地で重金属類や揮発性有機化合物等の土壌汚染やこれに伴う地下水の汚染が次々に発見されるようになった。このため、具体的対策の法的な整備が必要となり、2002年に土壌汚染対策法が制定された。」

まさに ズボシ 当てはまる. そして この時期に, 東ガスとの交渉をしているのである.

少なくとも同法の3点; 6条要措置区域指定, 第7条汚染除去の措置指示, 第9条土地形質変更

禁止の指示/ において 東京都自身が 査察の対象となろう.

さらに, この汚染が 再調査によって除去されてないとなれば, 国への市場開設の認可申請も改め

行う必要があろう.この汚染状況では,安全性が担保されておらず, 『卸売市場法』に基づく許認可を

出すことにはなるまい. こういう法的な問題ともなる.

これだけの有害泥土量は, 表土の取り除き・取り換えでは処理できない. その深さは 少なくとも 粘土質層までの土を処理しなくてはならない. ここまでの除去をやらないと,土地を利用できない程の凄まじい有害性の高いコールタール汚泥土を大量に土壌に混合させたのである.

★除染工事で 一部の「汚染地区」で 深度4.5mまでの 土壌取り換え工事をしたそうだが, それによる 含有コールタール汚泥土分としては, どれだけの量となるか, そして 残留量はどれだけかを 解析した数値を公表してほしい.

‘幸いにもコールタール泥土’であり, 流れることなく, その地区の地下に封じ込まれて現在もある. このコールタール汚泥土を除染して戻し土することである.

 

 重大なことは 除染工事設計にあたって 

   埋立地地下に起こる《ピストン・ポンプ現象》を見落としていることである.

海を埋め立てて 護岸で囲った敷地地下では,海水の干潮・満潮によって,サイフォン原理で 海水面と同一水位となっている海水によって,ピストン・ポンプ現象が起こる.これによって 閉鎖空間内のコールタール汚泥土が 強いポンプ圧力を掛けられて,毎日 上下に洗われる.コールタール汚泥土には,超有害な揮発性物質を含有している;それは ベンゼン・水銀・シアン化合物等である.これらが滲出漏出される.この現象がどれだけのものかを実地実験で正確に観測しなくては 設計はできなかったはずである.しかし 設計にあたって,この現象を甘く見たというよりは,見落としている.

 その結果,屋外はもちろんのこと,建物内部においては 床張りしたコンクリート細孔からでも 漏れ出て 密閉室内気を汚染する.何十年も,大量の石炭残渣;強力な毒性を持つコールタール汚泥土によって 地下空間には汚染水が,室内空間は,揮発性有害物質によって汚染される.このままでは, 最早 生鮮食材を扱う市場としては許されまい.

 以上のような認識が, 東京ガスも含めて 歴代の都の首脳部, 専門部門;担当部局・技術委員会・専門家会議でなかったのである. だから 除染作業を糊塗したレベルで済ませ, 土地の売買でも判断を間違ったのである

都知事宛提案文書8/14豊洲利用の条件;汚染防御と除染,耐震補強工事

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書8/14】

 

豊洲地区を利用できるようにするためには, 次の汚染防御と除去が条件である;

 

 再度 本格的な防染・除染, 及び 耐震補強工事を行う.

その手順と工事仕様は;

D1;公示前の予備調査

  先ずは,採集地下水の汚染度が高い地点を そのエリアで 5メートルメッシュで

 地下の水不浸透粘土層(10mぐらい)まで,深度1m単位で土壌調査をすること.

             ※この調査は 工事区域を選定して行う D3地下トンネル方式による除染工事作

    業には必要不可欠である.

D2汚染防御・耐震補強

 使用できる状態となるためには, 有害物質からの防御を 再度工事実行する.

 その方法は, すべての建物の内部は,

地下空間を利用して, 水泳プール並みに防水・拡散遮断工事,

 透水・通気 が一切ないように 厚い床敷きに改修する.

※プール並みの箱状床張りによって,地震時の地下液状化にも耐えられる.

 これを 格子状の箱床張り補強によって行えば, 耐震性強化とすることができる.

 

   この工事により,豊洲市場建物は 使用が可能となる.

   そして 次の除染本格工事を10年間掛けて行う.

 現豊洲の土地建物を利用しながら 除染作業をするには 次の工法がいいだろう;

 

D3;除染工事は 営業しながら,地下トンネル工法で工事を進める.

汚染土を掘り出し,脱有害物質・燃焼破壊して, 固化して元に戻す.

 豊洲地区の地下に溜まっている超有毒物質含有の石炭ガス化残渣;コールタール汚泥土は, トンネル工法により 掘削して採集し, その土を 洗浄・脱硫・熱分解処理して, 清浄な土にして, それを固型・レンガ積みにして,元に詰め戻す.

 ※この工法により 建物地下の耐震補強・免振強化・液状化防御能は高まり, 好都合である.

 豊洲の既建物は, 4階中層(地下空間分あり;5階となる.)であり, 岩盤杭入れをしてない工法で

  あることをお忘れなく.

 

以上の汚染防御・除去,及び 耐震補強工事ができなければ,

 豊洲市場建物の《市場機能を持った集配センター》等の再利用計画も含めて

 すべて諦めざるをえない.

 

 

 

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書9/14】

 B; 既建築済みの豊洲市場の建物は 市場建築の基本的なコンセプトを間違って建てたもの.

現建築済みの豊洲建物は, 300億円掛けて 途中投げ出して没となった『築地新築設計プラン』を そのままコピーして 豊洲に建てたものである.

 

 この設計プランは, 競り売り市場仕様では全くなく, 流通集配の倉庫転用仕様である.

これでは 競り売り買い付け市場として使うならば, 毎日 混乱し, 作業機能不全を起こし, そしてその挙句は 営業業者の反乱がおこるだろう. そういう代物をつくったのである. 土地の汚染問題だけでなく, この誤ってプランニングした市場建物であることの認識が重要である. ここでも 不作為の罪ではなく, 行政における ‘無意欲・無知からくる お任せ適当に’という罪がある. それが行政上の瑕疵を生み出す.

ということになると 豊洲建物は 生鮮競り売り買い市場としては 使わない. むしろ その建築仕様にあった, 物流集配倉庫として利用する方が 理に適っている.

  となると 豊洲の再利用計画を探究する最初の発想は 《公設物流集配センター》である.

しかし 単純に 物流センターを造っても 成功はしない. 流通界は ‘走っている生き馬の目さえ抜く’といわれるぐらいの 激しく流動する選択競争の業態世界である.

 《集配倉庫》では,単機能であり, 流通システムのニーズが単純化してしまう. そこで, 《市場機能を持った集配センター》の構想が出て来る.

それで このことのマーケティングを突っ込んで考究検討することが求められる. 以下に述べる.


都知事宛提案文書10/14豊洲は市場機能を持った流通集配センターに計画変更

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書10/14】

【築地の再生・豊洲利用計画変更は 今後100年の計となりうるか】

 

 

築地市場 増新築して 再生させる.

豊洲建物は 市場機能を持った食材・食品分野の物流集配センターにする.

 流通システムの需要解析;マーケティングが重要である.

 

築地の再生と豊洲の再利用計画は, どちらも,消費者への生活物資流通システムを 今後少なくとも100年見通して,マーケティングしなければ確定できない.これは 物流の戦略的検討である.

そのとき 現在日本における次の三つ流通システム;様態の特徴と時代推移の状況を読まないといけない;

 

A流通システム;

 《生産者→◆(競り卸し)◆小売り・店頭◆消費者へ》  競り市場型

 この中核となる場面は 競り売買の卸市場である. その典型は 築地市場である.

A1市場方式の品定め選定力

 この競り売買市場方式は, そこに売り買いの専門プロが関わって 品定めをする. この選定力発揮を場面設定したものが 競り市場である.

A2正当・正確な価格決定と調整力

 このような競りシステムは, 商品の価格決定に 生産正当評価と妥当正確な価格決定がなされる. それが 価格調整を為し, 各商品の正当な評価となり, 全国的な標準価格となり, 価格安定を為す. こういう機能が 単なる物流集配と異なった《市場機能》というものである. 築地市場は この全国の標準価格となる価格設定機能を持っていたのである.

A3; こうした機能によって 築地市場生産者にとっても, 消費者にとっても 大変ありがたい. それは全国区的影響があった.

こういう市場機能によって, 生産者は より良いものをつくり, 安心して出荷できたのである. 小売店から購入する消費者は, より良い食材を安心と全幅の信頼で購入できたのである.

 競り市場機能は, 品質向上と 安心・確か生鮮食材を生産と消費に発揮させ, 生産労働と消費行動の支援となって 築地市場は 90年の長きに 重要なmissionを果たしてきたのである.

 築地市場は こういう機能を為す流通機構である. 市場開設から90年, 今後も100年は 発展維持されなければならない.

 

B流通システム;

《生産者◆大手小売り業者の直接注文・交渉→●(集配)→●店頭◆←消費者へ》

大手小売業者の直買い付け型

B1; この様態の流通システムは 大幅にその取引量を増やして,市場・小売り方式を侵食している.生産者も 大口の買い手であり,優遇され,小売価格の低廉化になっている.

この《市場を通さない直ジカ買い付け型》方式は, 生鮮食材宅配業者も含めて, 今後,このシステムが 流通機構に適合して,広がることが見通せる.

 このシステムを 豊洲は 取り込むことができないか. 以下に考究を進めよう.

B2 ; このシステムでは 各スーパーマーケット経営等の大手小売業者が 生産現地に出向き,そこで, 選定して良し悪し・買い付け可否を決めることになる.この取引関係で, 生産者との一定期間の評価が続くと,《産直契約》を結んで 取引き関係を固定する. 特に 流通機構に参入し,首都圏に広がり始めた生鮮食材宅配業は, こうした生産者直契約制である.

 このシステムの決定的な弱点は, 商品の品質と価格の比較選定ができないということである.

もしそうであるならば,箱詰め密封の商品を《集配センターに持ち込み,大手買い付け業者等の参加による, その場でのサンプル開梱審査・評価方式がありうる.すなわち 《市場機能を持った集配センター》である.

B3; この場合も 買い付け側の小売業スーパーは,評価を受けて陳列された商品を見て回り,選定・買い付けをすることになる.そして 残った商品梱包は 値を下げて売りなおさないといけない.そうすると,これも 実質的には 競りと同じ,市場における品質評価と価格の妥当値調整となろう.

都知事宛提案文書11/14直接注文・拠点集配型流通システムの解析

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書11/14】

C流通システム;

 《生産者・サイト;消費者の直接注文→●(集配)→●消費者へ》; 拠点集配型

 

C1; 生産者→消費者の物流は, ネット注文による直送宅配が 今後大幅に増えるだろう.

この様なネット通販による消費行動は 爆発的に増え, その宅配購入比率は今後 消費者が 町の小売店・スーパーから 直接買いする現在の買い物生活と比べて その生活材の購入率は ‘熱心なインターネット購入マニア’においては, 20%程度(日利用率で)の比重ぐらいに上がるのではなかろうか.

C2; 一括集約拠点の設定

現在,その中継・集配は, 大手宅配業者が, 各業者ごとに物流拠点を構えて行われている. しかし この流通業者の作業現状は目一杯で, パンク状態である. 現行の流通システムに根本的な欠陥があり, 流通・経済合理性がないからである.

 これを一括して取り込み, 集約拠点を設定して, そこから 東京都内の各地域に分配して,配達する. こういう《共同配送センター》方式の公設化がありうる.

ここでの取り扱い品は, 宛名記入梱包済みの 既に買われた商品である. 郵政郵便物の取り扱いと同様で, そのセンターの機能役割も同様である. したがって 公共性も同様である.

C3; 問題は 消費者の直接注文・お取り寄せ制の弱点である.

この流通システムには, 上記A1,及びA2のような競り市場機能がない. 特に 生産商品の品定め機能がないという弱点がある. それは 直接注文者個人の自己責任で行われる消費行動である. だから,‘賢い消費者’は ‘ためし注文買い’をして, 良ければ 継続注文者となる.

この弱点を補うには, 生産地での協同機関による選定, 通販サイトでの評価機能等 流通過程の中継における評価選定機能を充実させないといけないだろう. 現状では 過剰宣伝による消費トラブルがかなり発生している. この10年間の私的な体験では, 購入したが 意に添わなかった・リピータとならないショップ商品は, 生鮮食材以外の生活品では 2割ぐらいにものぼる.

 

 

  以上のような ,及びCシステムを取り込むようなシステムを造れないか.

B大手小売業者,及び C消費者個人注文お取り寄せ型の弱点をカバーする・支援するような

 新たな流通システムを 構築できるかどうか

  そのシステムの 需要有効・経済合理性があるかどうか

このような スーパーマーケット小売り業者 あるいは 個人が, 市場を抜きにした直接買い付け・流通集配利用する《生産者→中継集配→消費者へ》となるシステムは 本当に需要有効・経済合理性があるかどうか, このマーケティングをきちんと 公営の市場開設にあたっては, 専門的に研究する必要がある. 行政機関で集団的に研究検討することが必要である.

 

過って 宅配便が 郵政局だけで主に行われていた時代に 明治から100年続いた仕来りに風穴を開けて, 民間業者が初参入したのは, クロネコヤマトの創業者小倉正男である. そのマーケティングの戦略的思考はどのようなものであったか,次の本を読んでほしい. 経営学の実践的な指針テキストとなろう.

小倉昌男小倉昌男経営学』(1999年刊 日経BP社)

  これを読んで,研究し,案を練って提起し,

   それを集団討議をして検証し,練って練って熟考検討し,

    そしてやっと 行政の俎上に載せる.

   / ここまでやらないと,成功しないということ.

 

 

 今後 1000万都民の首都東京においては このA,B,C三つの流通システムが,少なくとも100年は, 並立利用となろう. 築地はAで, 豊洲の建物は, BとCの流通システムを取り込み,その機能を担った《市場機能を持った集配センター》とすることが そのマーケティング解析によって見通せよう.

(2,017/03/23完)

 

都知事宛提案12/14豊洲利用の計画変更;《市場機能を持った集配センター》替え

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書12/14】

【本論】

       豊洲利用の計画変更;

《市場機能を持った集配センター》替えは 成功するのか

スーパ-直接買い入れ型,及び 個人注文宅配便型に対応する

新たな流通システムの構築は 需要有効・経済合理性があるかどうか

新たな市場設営に対するマーケティング解析

 

現在 競り市場型でないシステム;小売り・消費者の《生産者直接注文型の流通システム》は 主に次の通りである;

B流通システム; スーパーマーケット等の大手小売り業者の現地買い入れ型

C流通システム; 消費者個人注文品の拠点集配型

この2本の流通システムは, 市場・消費行動で 広がり, 中央競り市場型の流通機構を縮小化させる状況となっている. こうした動向の解析をしなければ, 築地・豊洲の市場経営の見通せない.

このことをどう見るか, 流通機能評価・マーケティング解析をする必要がある.

それは 《小売り業・消費者の生産者直接注文買い入れ方式》の評価と その流通力の原動は何かをつかむことである. このことの洞察から, 豊洲《市場機能を持った集配センター》に計画替えをして成功するのか,その計画替えが成功する市場経営の核心は 何かをつかむことができる.

 流通機構の進化発展に関わる 次の3課題について 考察する;

 

; 流通システムの合理性設計

A1;流通コストと消費者メリット

競り市場を通さない,生産者との直接取引買い方式は, 競り市場を通さないだけ, 流通コストが削減される. その分だけ 店頭価格を下げ, 消費者のメリットとなる.

A2; しかし 流通コストは, 全体として 決して流通コストが下がるわけではなく, むしろ 大手小売り業者・多数化する消費者の生産現地との直接売買契約方式は, 流通の流路が増え, 輸送コスト総額高となる.

A2; 流通路の合理性設計; その作業効率・作業量の最大化

そして その実際の流通宅配状況は, 既に 取り扱い量,それを担う労働状態は,パンク状態となっている. この事態は 各業者の自主的な改善に任せられて,解決できるものではない.

  この問題は フラクタル数学の流路問題でもある. その輸送作業量の解析では,

  (P多量の生産点producers●●●

             → ●●●(C多量の消費者点consumers

この最も合理的な流路は, 輸送量に対応した集配拠点◆の設定にある. 1000万都民の台所を預かる東京都地区の場合は, 拠点センター設定は この合理的な設計となる.

ここでは,大事なことは,

この集配拠点センターは 単に集配機能だけでなく,

  市場機能を持ったセンターにできないか

である. これを検討・考察・探究してみたい.