ペルチェゼーベック発電冷暖房パネル特許申請書05
【明細書】
【考案の概要】
【0006課題を解決するための手段】 【0009考案を実施するための形態】
ペルチェ・ゼーベック素子のクロスは,繊維化ができれば,図面の通りに,繊維より糸,糸よりウェハース状の縄,縄より布を順次に,織り上げていけば,製糸・織布技術でできる.製造過程は,部品の組み立てではなく,繊維素材加工・糸紡績・織布過程となり,技術上で,大変スマートにできる.製造過程のスマートさは,大量安価に製造できるということでもある.
その実施の形態,及び方法は次の通りである.
1)半導体シリコンのn型素材とp型素材,及び,電極を交互に入り合い状で接合してまだら模様の繊維をつくる.繊維のまだらは次の通りである.
・・・|n型素材|電極|p型素材|電極|n型素材|電極|・・・・
2)これを細い糸に綯い,この糸をウェハース状にして縄にする.
3)このウェハース状の縄を縦糸にして,絶縁体素材を横糸にして,クロスに編む.
4)このクロスをシートにして,ペルチェ・ゼーベック素子機能を持つ〈ペルチェ・ゼーベック素子シート〉を成型する.
〈ペルチェ・ゼーベック素子の繊維化〉
ここが,本考案では,技術成立の可否が関るところである:ペルチェ・ゼーベック素子の繊維化には,シリコン半導体の柔軟性・引っ張り強度,摺動性が求められる.その技術で,ケイ酸の有機酸化合物であるシリコーン(有機基シリコン樹脂)が既に製品化されており,これを利用して,半導体と同様のn型シリコンにおける電子・p型シリコンにおける正孔と同様の作動現象がある繊維状のペルチェ・ゼーベック素子半導体をつくることができる.
★この解決には,2つの重要な技術の核心がある.
【0007考案の効果】
1)n型シリコン,及び,p型シリコンと電極との接触面積が格段に大きくなり,熱振動電子,及び,熱振動正孔とも,その分増え,その結果として,熱分離・移動量が増えるだろう.
2)n型シリコン・電極・p型シリコンの繊維糸化により,電流の一方向性が強調されて,より一層のペルチェ効果を生むだろう.
3)クロス織布のスケールと分離量:発電量の積算
〈1ペルチェ素子繊維単位〉
繊維の太さ径をaミリメートル,|n型シリコン|電極|p型シリコン|電極|を1サイクルとした繊維の長さをbミリメートルとして,これを1ペルチェ素子繊維単位する.
〈クロス1モジュール〉
この繊維をc本束ねて糸にして,その太さ径をdミリメートルとして,これをf本束ねてウェハース状にする.これと,横糸の絶縁体糸と編んでクロスにするとき,このクロスの単位構成となる立方体の縦長gミリメートル,横長jミリメートル,その表裏面厚さをhミリメートルとする.これを幅・長さ1センチメートル角にしたクロス部分を1モジュールとする.このモジュール単位が,ペルチェ素子クロスの熱分離量,あるいは,ゼーベック効果の発電量に対する性能評価の基礎となる.
〈クロス織布1ユニット〉
クロスの長さ30センチメートル(1尺分)×幅10センチメートルをクロス織布1ユニットとする.1ユニットのモジュール数は,30個×10個=300個となる.
〈パネル単位〉
この1ユニット単位で,畳1帖分のパネルをつくる.そうすると,1パネルでは,ペルチェ素子クロスのユニット数は,6個×9個=54個となり,1パネルの総モジュール数は,300個×54個=16,200個となる.
以上の総和によって,このペルチェ・ゼーベック素子シートの熱分離量:発電量が計算される.
ペルチェ素子クロスの1モジュールの熱分離量:発電量をEワットとすると,1パネル全体でのそれは,16,200Eワットとなる.
4)従来のペルチェ素子は,半導体・電極等の部品の組み合わせた部品集積装置として作られていた.そのために,大量の素子を並べて,広域面積をカバーすることは難しかった.これと較べて,ペルチェ・ゼーベック素子のクロスは,固形部品装置ではなく,布のように柔らかく,シートのようにして使うことができる.ペルチェ効果では,電気→熱変換し,ゼーベック効果のときは,その逆の熱→電気変換を広域面積において実現できることになる.
5)さらにまた,ペルチェ素子効果は,その素子に流す電流方向を逆にすると,吸熱・放熱面が逆転する.この現象を利用して,同一の気化冷却パネルで,冬バージョン用に,暖房機として使用することができる.
【0008図面の簡単な説明】
【図1】
1)n型半導体,p型半導体,電極の三種類の繊維をつくり,|n型半導体糸|電極糸|p型半導体糸|の順序で,まだらのいとをつくる.それをウェハース状に綯い,これを束にして縄をつくる.2)さらに,絶縁体素材も,繊維にして,糸を撚る.
【図2】 ※この図は,本文書では省略した.
部品パーツの区分を模様で分けて表示する. 〈n型半導体糸〉:球の敷き詰め模様, 〈空乏層・禁制層,または,電極〉:紙ふぶき模様, 〈p型半導体糸〉:ひし形横列並び模様, 〈絶縁体糸〉:市松敷き詰め模様 記号Ins. 更に,その他の記号は次の通りである.〈矢印→〉:電流の流れの方向, 〈e上付け文字-〉:n型半導体内の過剰電子, 〈h上付け文字+〉:p型半導体内の電子不足孔:正孔
【図3】
ペルチェ素子クロスの編み方:
1)絶縁体糸を横糸にして,n型半導体糸とp型半導体糸を,電極の電流による吸熱・放熱面が同一になるように,交互に入れえ換えて縦糸にしてクロスを編む.
2)横糸を通すときに,横糸相互の間隔を詰めて,密着させて,表面が平面的になるように整える.
3)n型p型半導体糸と電極糸部分の長さ・厚さ,面積の大きさ,及びその両者の比率の最適値は,実際に製造された糸・束によって編まれたペルチェ素子クロス・モジュールに対する実験によって決定する.
【0010実施例】
1)ペルチェ素子の逆効果であるゼーベック効果素子シートを家屋屋根に設置して,太陽光熱,及び大気熱・風により,シートの裏側との温度差をつくり,発電させる.
2)ペルチェ素子クロス・シートに気化促進機能性膜を接合して〈ペルチェ素子・気化冷却機能性膜パネル〉を作る.
3)このパネルを家屋室内天井より吊るして,屋根上のゼーベック発電シートより発生した電力で稼動させ,室内周囲面(天井・壁・床)を冷却して,過冷却風吹き出し方式ではない〈面積方式の室内冷房機〉とする.
4)冬バージョンとして,同じ装置で,ペルチェ素子シートへの電流を逆にして,吸熱・放熱面を逆にして,それに接合させた気化促進機能性膜の方は,屋根上に設置した温水器でつくられた温熱蒸気を導入することで,結露発熱がさせて,暖房機として両用する.
5)こうして作られる装置は,自然エネルギー利用・エネルギーの自産自消型の自己完結・持続可能性を持った冷暖房機装置となる.
【実用新案登録請求の範囲】 |