エクセルギーハウス技術開発研究所

エクセルギーなLife&Housingラボ(NPO準備) 自然の循環性に生きる生活と住まい方:営みの提案交流ブログ

実用新案特許申請  室内設置用クーリング・ファン(明細書概容)

実用新案特許明細書

【考案の名称】   室内設置用クーリング・ファン

【整理番号】EXLHL-004
【書類名】要約書

【要約】
【課題】本考案は、現在、一般家庭に普及している従来型冷房機器の圧縮膨張熱現象利用、デシカント方式、あるいは、吸収式等の問題点を解決し、水の気化熱という自然の循環性のエネルギーを利用して、ハイテクではなく、10Wぐらいの少電力で稼動して,充分快感快適性のある、かつ、エクセルギー評価としても優れた冷房機器をつくろうとするものである。
【解決手段】この室内冷房用として設置されるクーリングファンは、回転軸中心部から、ファン翼内に,袋状にした導水性クロスに水を濡れ伝いさせて、回転遠心力で翼内部全体に広げ、そこに、回転翼の前エッジより取り入れた強い風で気化を促進させ、蒸発暑水蒸気は、ファン内の回転流によって中心軸に設けた排気口で収集して室外に排気する。この熱交換器は、回転ファン自身であり、その熱交換面積は、従来の熱交換器の静止フィン面とは異なり、何十倍にもなり,効果を高め、エクセルギー効率を高めことになる。
【技術分野】室内冷房機器技術
【背景技術】

蒸発気化熱利用技術、プロペラファンデザイン技術、気流デザイン技術、クロス密着技術
【非特許文献】
プロペラファンの外殻形状、及び、気流デザインは、長い進化の歴史があり、多数の文献がある。冷房熱技術については、特にエクセルギー概念が重要であり、直接的な内容関連がないが 、これに関しての文献を2冊挙げる;宿谷昌則著『エクセルギーと環境の理論』(北斗出版)、及び「エネルギーの尺度を見直そう」製作委員会編集『エクセルギーデザイン学の理解と応用』(大阪大学出版会)。これらの中に、水の気化熱の技術についての優れた考察がある。

【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
 【0005】
室内冷房用として,現在使用されている機器は、原理別に分けると、A;圧縮・膨張による熱現象を利用して、屋外外設機で冷媒体を冷却し、それを室内に導入して、熱交換器でその冷エクセルギーを取り出し、冷房として利用するもの、B;室内でファンを回して、人体表面の汗蒸発気化熱に頼るもの,あるいは, C;デシカント方式で,ローラー回転で表面を濡らし,そこに送風して蒸発気化熱を利用して冷気を生み出すというもの、D:水ではなく,特殊冷媒を超低気圧下で蒸発させて冷エクセルギーを取り出し、その冷媒気体を液化して循環過程に入れるもの、 などである。これらの問題点を述べる;(1)Cのデシカント方式では,気化水蒸気を室外に排出する仕組みをつくらないために,閉じた系となっている室内空間では,エクセルギーの貸借が同じとなり、冷房のエクセルギー評価としては決定的な欠陥がある。加えて、蒸発水蒸気が、密封した室内に溜まり、高い湿気状態をつくることになる。そのために、身体表面の蒸発を低下させ、室内を湿気で充満させる。この点でも,最悪の状態をつくり出すことになり、本来は住居室内で使用できるものではない。(2)Aでは、多量の電力を消費して、それでいながら、過冷却気の吹き出しによる冷房により、体感快適性は、必ずしもいいものではない。(3)Dでは、高度の低気圧性を保つ装備と循環過程の複雑さから、装置が重厚であり、一般家庭での利用容易性に弱点がある。
  本考案は、これら一般家庭に普及している従来型の問題を解決し、エクセルギー評価としても優れた冷房機器をつくろうとするものである。そのうえで、住居において、生体活動を営む人間にとっての体感快適性が、これら従来機器よりもはるかに優れたものが作れないのかどうかである。その方法は、最も手軽な扇風機ファンの内部構造に創意工夫を凝らして、ファン内部において、水H2O気化熱を利用して冷エクセルギーを創出し、その気化現場において直接に、ファン外殻の熱伝導性素材を熱交換器として使って採集し、一方では、熱分離で生じた暑気・水蒸気は、収集して屋外に排出するという仕組みである。謂わば,ローエネルギー・ローテクニック、水の気化熱という自然の循環性のエネルギーを利用する素朴な原理に基づく冷房機器である。

【課題を解決するための手段】
 【0006】
扇風機プロペラファンの内部に水H2O液体を導入して、その水をファン外殻の内側に密着して張った導水性クロスに,ファン回転の遠心力で濡れ拡散させ、そこに、ファン回転翼前面のヘッジから、空気を吸入して蒸発させ、暑気、及び、水蒸気は、ファン内部の気流デザインによって設計された気流によって、回転中心軸に設けられた排出口に導いて、室外に排出する。こうして得られた冷エクセルギーを、ファン外殻表面の熱伝導性素材自体を熱交換器フィンとして使って取り出して、室内冷房に利用するというものである。

【考案の効果】
 【0007】
水H2Oの気化熱は、生活気圧・常温下で、およそ2266J/≒543cal/であり、6帖間の部屋24m3では、空気の比熱と重量から、水68gの気化がなされれば、5℃下げられる計算となる。この水の気化による冷熱量を冷房に使うにあたり、ファン内部でファンの回転で空気接触面積を広げ、かなりの風速の送風によって、単位時間当りの気化水蒸気量、すなわち、求められる気化冷エクセルギー熱量を稼ぐことができる。回転翼自身が、内部においては,気化蒸発表面となり、外殻表面においては,熱交換器表面となることで、冷暑熱分離の現場において、直接に冷エクセルギーを取り出すことになり、その熱エクセルギー量は、従来機器と比較しても数十倍にもなり、エクセルギー効率(有効エネルギーを利用した割合)は著しく高くなろう。さらにいえば、部屋の断熱性と蓄熱性により、時間当たりの冷房能力は左右されるが、ピストン、あるいはロータリー等の圧縮・爆発冷却による過冷却風ではなく、広い面積のファンにより、柔らかい冷気が室内に流れるようにでき、体感快適性は優れる。そのためには、ファンの形状デザインと広さ、及び、その回転速度を調整することが大事である。