生命 自然の交流/共同のいとなみ

エクセルギーなLife&Housingラボ(NPO) 自然の循環性に生きる生活と住まい方/営みの提案交流ブログ

家庭電力の自前形態の探究(その3)誰でもできるパネルの設置と国の支援政策

小規模ソーラ‐発電機器の設置方法

 

1階屋根上利用の場合

問題は突風(瞬間最大風速)である.台風だけでなく,何時のシーズンでも起こりうるということが前提である.造作物の建築基準では,〈地上15m以上では,風速60mに耐える〉となっている.しかし,1階の屋根搭載といえども,キチンとした耐風が必要である.1階屋根の風速は,2階の屋根と違って,その家の周りにある建物・樹木,土地などの高度模様によって大きく影響される. しかし日本のどの地域・街でも,暴風の天気予報になるときは, 最大風速40m以上を見込まないといけないだろう.「想定外」は許されない.そうなると,1階屋根・ベランダ設置は,建築基準法に従って屋根はその強度が施工されている.したがってこの屋根を使って,パネル面を屋根に平行に風に吹き煽られないようにして,屋根に固定して造作するのが一番いいだろう.

以下の探究は,1階スレート屋根上に搭載する木材による設置台の施工方法である.

 

パネルの傾斜角度は何度が最大受光量となるか

そのシーズンの最大日射受熱量は, 日射:受光角度θのときに,年間を4回に分けて, パネル面の傾斜角度φは何度にしたらいいのか.

★南中高度を求めてみよう.例えば,東京地方は,北緯35度に位置し,地球時点軸の傾斜角度が23.4度だから,.

     春分秋分時;55度,  夏至;55度+23.4度=78.4度,  冬至;55度―23.4度=31.6度

受光角度は,パネル傾斜角度φとは,互いに補角である;  φ90度―θ

 

※一つの家の事例で紹介する.この家では,1階屋根スペースは8帖分で,半分は既にベランダとして利用している.2階の壁は窓のない部分で4間ある.この屋根は,ガルバリューム鋼板;勾配10の2.5(傾斜角度14度)である.

夏バージョン(春分~夏至~秋分)

  春分秋分の南中角度+12度)の補角23度ぐらい

★α;23度―屋根勾配14度=9度  屋根ベタ置きでいい.

  冬バージョン(秋分~冬至~春分

  目一杯冬至の南中高度32度の補角58度→真冬は1月なので50度ぐらいとする.

★β;50度-屋根勾配14度=36度  三角形の一角が36度の形状にする.

東京地方北緯35度の場合は,春分秋分期55度  夏至期78度  冬至期31度

 

木材使用のパネル設置台を作る

角材2種類(120mm角と120x60mm)で,筏を作ってパネルをそこにはめ込む.

1)    屋根の勾配を考慮して,横断面上記傾斜をつけて置けるように直角三角形をつくる.

辺長の比は   Tan36°= 0.721.31(パネルは横置きでその短い方の長さ)

2)シーズンの適値に近いように設置を変える;

★大風・暴風のときは,パネル面を屋根にベタ置きにして避難させる.

 

使用木材   ※ホームセンターでは次のような値段であった.

   9cmx9cmx長3mの角材  1,280円    9cmx4cmx長3mの角材  780円

 

200Wのパネルの大きさ;1580x808x35mm  1枚につき,

★ 9cm角3m材  →1本を半分にして150cm2本

★ 9x4角3m材  →1本を長さ90cm3本に切って これを4本使う.間隔50cm

★ 30cmの残りは,角の筋交いに使う.

パネル4段の場合材料の合計金額は

  1,280円x4本=5,120円    780円x6本=4,680円  合計9,800円

   これをドリルでスクリュー釘(□4.8x75mm130本980円)を打って組み立てる.

   屋根の実際を下見して,工場で木材寸法をカットして持ち込む方がいいだろう.

次の費用で,制作可能である.

 

屋根・壁への固定

   屋根・壁の素材と形を見て,それにあった固定用の金具で固定する.値段は1,200円ぐらい

 

傾斜角度可変式装置の工夫

屋根側とパネル側に,それぞれレールを張ってその溝をスライドさせる方式で,簡単に傾斜角度を自由に可変させることができる.月ごとではなく,年4回春分・夏至・春分・冬至の1ヵ月半前に,角度を変える.

 

 以上の設計で,費用の概算は;

パネル設置台材料代総額   12,000円

 

工事は工事士に

ソーラ‐発電の設置は,DIY自作ではなく,専門の【太陽光発電電気工事士】にやってもらう.

1.2kW小規模ソーラー発電による10GW構想の実現に当たって,国は自己のミッションとして政策実行すべきである.それと関わって,基準・資格・認可制についても,実際性をサポートする,安全及び 成果の担保をなすことを主意として充実させることを望む.

具体的には,太陽光発電電気工事士の認定制度を設けて,正当な技術料保障をすべきである.

このことに関しての以下資料です.

経済産業省資源エネルギー庁  太陽光発電に関する製品・施工基準〉

  ~設備認定を受け付けています~○10kW未満太陽光発電設備の申請 [外部リンク]
平成25110日より、電子申請の対象範囲が50kW未満にまで拡大されます。詳しくはこちら

2013611日より10kW未満の設備認定申請時、太陽光パネルの情報としまして、これまで枚数のみの入力でありましたところ、10kW以上の申請と同様、太陽光パネルの種類、変換効率を入力いただくこととなりました。

 

国の政策についての考察:参考

 

国家の政策としてどうなんだろうか

  小規模ソーラ‐発電その普及の今後を見極めるときに大事!

 

1.2kW独立小規模ソーラ‐発電の普及によって,日本全国600万戸・10GWの構築を

統計的には,家庭使用は発電所供給電力の29%(経産省『エネルギー白書2010』)で,その内訳は,家庭平均で,照明・情報関連で4分の1,熱エネルギー関連で40%強となっています.この半分近くの熱エネルギー関連を完全自給するということです.

 

現在日本においては,ソーラ‐発電システム導入に対して,公的な補助金制度あり,1994年からの導入促進によって,12年4月に目標の100万戸・410万kWを達成したそうだ.それでも,世界で最も進んだドイツの太陽光発電24.5GW(2011年)に比較して,2%にも満たない.

しかし,大手メーカ‐から販売されている現行の住宅太陽光システム標準例で【3.6kW発電,工事費を入れて300万円超】では,一般家庭への普及はどんなに補助金と売電利益を宣伝してもこれ以上は拡がらないだろう.次の施策段階は,1.2kW以下の小規模発電に対しても補助対象として推進して,更に累積して,500万戸・600万kW増の実現を図ることである.

現時点の累積と新たな拡大によって,全国で10GWを達成できれば,原発の再稼動は要らず,原発停止によるLNGの輸入も必要なくなるだろう.

 

これによってはじめて,日本の全原発が廃炉にできる.

こうした現実的な企業活動の保障がなければ,原発は廃炉にできない.

日本国家の発電量に占める原発分の14%分を全て,500万戸家庭の1,2kWソーラ‐発電で賄う.工業・商業用電力は,水力・火力,その他の自然エネルギーなどの大規模工業発電でやる.そうすれば,日本の全ての原発は廃炉にできる.廃炉は,原発を国有化して,30年掛けて技術開発も含めて国家事業として実行して成功させる.こうした廃炉費用は,原発所有の電力会社と,その供給電力を長らく享受・利用してきた企業が受益者負担する.

 

日本の家庭における発電所供給電力の消費はなくて済む.

経産省『2010年エネルギー白書』によると,日本全体での電力消費量における家庭の割合は,29%となっている.この割合は,不思議にも,日本おける総発電量に占める原子力発電の割合32%(震災前2010年12月)とほぼ同じである.震災後は,原発が2%に落ち,その分一番増加したのは,LNG(液化天然ガス;ほぼ輸入)33%から47%となったそうだ.この増加分14%は,ちょうど家庭の使用電力割合28%の半分に相当する.これもまた数字の不思議なる一致である.それは,家庭消費電力の割合エアコン25%,冷蔵16%,その他の熱関連機器およそ10%で,合計51%となり,半分とは,これらの電力消費量に該当するということにもなる.

 

年間の発電量1,2kWx日平均日照量3.5時間x年365日=1,533kWh

買電単価 1kW29円(東京電力の請求書より割り出し)より,年間で45,000円のお得

 

            ※文献『太陽光発電システムがわかる本』(工業調査会刊)104頁には,『発電シュミレーションソフト』が紹介されている.太陽光発電メーカーが用意しているソフトを利用できるそうだ.それによると

          例えば,【京セラ】計算で;3.96kWアレイで,方位角0度(真南),傾斜角30度のときに

          東京地方では,年間で4,104kWhとなっている.1.2kWパネルでは,1,243kWhである.

                       ※年間固定傾斜の【京セラ】も,2シーズン制でパネル角度を変えれば,もっといい線になるはずだ.

 

ドラッカー:ユニクロ流の成長戦略をどうぞ

このお得分は,家庭負担の消費税の増額分をカバーできる.ということで,この〈1.2kW小規模ソーラ‐発電システム〉を国家政策としてとることは,〈近江商人三方得〉であり,同じことではあるが,〈ドラッガー流のユーザ‐ニーズの有効価値の創出〉となる.新たなニーズの創出で,ユニクロの大きな発展の転換となった【フリース日本版人民服1000万枚売り】である.成功する成長戦略とは,こういうドラッガー戦略である.