不眠で長年悩まれている方へ 自己療養のアドバイス.機器の開発(シリーズ1/6)
EMDR方式の誘眠Figure:ライト/シーンをつくる
エクセルギーハウス技術開発研究所【開発第6号】 2014.02.03
就寝時に布団に就いて眺めながら,自然なライト・光群映の動き/スクリーン映像を追視することで,揺ったりユッタリした眼球運動を起こし,誘眠する装置Deviceの研究である.これは USアメリカでF.Shapiroによって1987年に提唱・開発された心理療法の一つである【EMDR療法】の器具にヒントを得て,構想されたものである. この器具による誘眠の原理は,赤ちゃんの寝かし玩具: Sleeping Toyと同じで,昔からそれぞれの民族において親の工夫で使われていたものである. そして,現在は,音響・映像技術によって,PCとプロジェクター・スクリーンで 大変優れた映像・音響が誘眠映像として利用できる. それを後半で紹介する.
現代の高度産業社会で生活している我々において,脳活動は,激しく運動させられているのである.長時間に渡って電子画面に曝される脳,その脳内の活動部位・領域において,大脳内の活動シナップス群のFigureに埋め込まれているエネルギーの分布状態は歪となり,局所的な興奮性が収まりきれていないで状況で就寝につくことになる.不眠を訴える・快眠できない・睡眠障害の人は,かなりの数に上ろう.1夜で睡眠サイクルが3回に達しない人の割合は,3人に1人にも上るのではないかと推測するところである.画像情報と対人接触が激しい現代人はこうした脳内のと局所エクセルギーの解消:エントロピー散逸という外部からの働き掛けが重要になっていると思う.スポーツにおいては,激しい運動後に体のヒーリングが大事になっているがそれと同様である.心と身両方のHealingということである.誘眠の仕掛けは,人事でない,切実な方法である.
私の体験からの経緯イキサツ
私の体験からこの器具発想に行き着いた経緯をお話したい.
私は50歳代から睡眠障害に悩まされ,それは就寝時に‘頭の中で思考が駆け巡る’というものであった.その症状は,夜半まで続き,その後の睡眠時間は,レム・ノンレム1サイクル2回;およそ 4時間ぐらいであった.おそらく松尾芭蕉,あるいはフランスのナポレオンもまた,更には日本人最初のノーベル賞受賞者の湯川秀樹博士にも,伝記などを見るとこの症候があったと思われる.
旅に病み夢は枯れ野を駆け巡る.
このことも要因の一つとなって,同時に糖尿病を発病し,60歳代まで続いていた.それで,糖尿病の集中治療:入院を受け,その後,服薬なしで食養と運動・ストレス解消法を徹底して実行し,糖尿病は,HbA1c数値を9.6から6.2(国際算定基準)に下げて, 現在は血糖値管理生活をしている.この時期医師から睡眠導入剤の服用も勧められたが,お断りして自己自身で何とかできないか努力してきたものである.しかし退職もしたが,‘思考駆け巡り症候’は治らなかった.
アレこれって睡眠障害の治療にもつかえる
こうした時,【NHK・クローズアップ現代/心と体を救うトラウマ治療最前線】を見ることができ, そのときに,フト‘アレこれって睡眠障害の治療にもつかえるのではないのか’と気付き, 実際に実験してみることにしたのである. それは次のような仕掛けである;
簡単な装置で,サイズの小さなソーラ‐発電ランタン・ランプを就床した状態で,目線で30度ぐらいの足元に,天井から長く垂らしてぶら下げ,それを振り子運動させるというものである.
就床してこれを追視しながら,眼球の往復運動をする.錘を付けると,1往復4秒ぐらいのゆっくりした振り子となって, これが完全に停止するまで4分間ぐらいでしょうか,行う.これを1回でだめならば,3回,4回とやるようにすると, まぶたが,自然に閉じてくる.
これを就寝時にやっても,真夜中に睡眠2サイクル4時間ぐらいで目が覚めてしまい,再び駆け巡り症状が出てくるときがあった.そのときもまた,このライト振り子運動をさせると眠くなり,朝方までもう1睡眠のサイクルをとることができた. 何年ぶりだろうか,1夜に3サイクル睡眠が摂れたのは.
これはいい! これは大変有効だ! ということで,同じような症候体験をされている方にもお勧めできるようにと, このEMDR療法の研究,および仕掛けの実用化開発となったものです.
EMHTによる装置を求めて
仕掛けはいくつか構想できる.二つの方法を紹介する;
その1) DIY: 手作りの最も簡単な装置
眼球運動サポートのライト往復運動,蓄光テープによる天井の星座など
A:蓄光テープで天井に星座を作り,眼球運動による誘眠
B:振り子運動ライト
B1:ソーラ‐発電ランタンを使ったもっとも簡単な振り子運動ライト
B2:蓄光テープを使った蛍のようにフラクタル幾何運動をするライト
B3:時計の原理で 30分の振り子運動ができるライト
アメリカの子どもに対するEMDR療法の治療現場では,往復2秒ぐらいのユックリとした動きを誘っていたが, 日本の大人へのトラウマ治療では,1秒間に1往復のかなり速い動きをさせ,1セット20~30回往復をさせている.この装置は誘眠のサポートであり,〈普通速度から段々緩くして止まる・消える〉テンポのとり方のほうがいいのではなかろうか.
眼球運動による心理療法には,それぞれ症候の型とレベルによって最適の周期・テンポがある.それをご自分でやってみて見つけるようにしてほしい.装置には,このテンポ調整・選択の機能を持つことが必要である.
この星座・往復運動ライトを更に機能拡張して次のことが現代の映像技術でできる.そういう製品が既に市販されている.
その2) MEE: 音楽の視覚化;視覚エフェクトによるスクリーン映像
C:ヒーリング音楽の視覚化; Windows Media Player視覚エフェクトの利用
C1; PCに接続して,プロジェクターによって,スクリーンに映写
C2; PCに接続して,大型TV有機EL画面に映像
視覚エフェクトとは,音の高低・テンポ・音量・音色の4要素を組み合わせて視覚映像化するプログラムである. これをプロジェクターでスクリーンに,あるいは,TV装置で有機EL画面に映像化する. 例えば,次の曲を視覚化して,ヒーリング画面として映像化できる.
★例えば『アベ・マリヤ』なんかが最も推薦であろう. J.S.バッハ『ライプツィヒ・コラール集』もお勧めしたい. それ以外で 24曲ぐらいの音楽をDVD・USBメモリーに入れておいて,その中から自分の好きな曲を選べばいい.
★上記のA,及びBは,ご自分でこの装置を作って使われることをお勧めします. 次回にこの作り方(工作)をご紹介します. 現在 PCの映像技術が進化して,視覚エフェクトによって,Cの方法で,音楽を映像化できます. それを利用する方法です.これには,YouTubeに大変優れたヒーリング映像が投稿されています.それを使うこともできます. このレポートの後半でこのことを詳しく研究します.ご期待してこのシリーズをご覧下さい.