生命 自然の交流/共同のいとなみ

エクセルギーなLife&Housingラボ(NPO) 自然の循環性に生きる生活と住まい方/営みの提案交流ブログ

【ブログその3】

  作業の流れ図形解析

市場内で 物流を実際にやってみて, 作業の流れ図を解説しておられるが, これが素晴らしい. これを追いかけてみよう;

1000万都民の 毎日の台所を預かる築地の生鮮市場で作業物流の過程と量は 大変なものである.

 
◆A;全国各地から, 海の幸・畑の幸が 莫大な数量にのぼり
   昔は貨車で 現在は車両で持ち込まれる.
その種類個数は 毎日種類○○点, 個総数○○点で, 総計数万点を超えるであろう.
     荷入れ・搬出車の数は 毎日○○車両である.
     仲卸・買い付け人・運搬人等の人間の判断行動は, 数万件となる.
   これが動いて流れているのである.
→◇B;この生鮮魚・野菜を セリ場に運んで,
→◇C;これを競り場で 同種類を一括し並べ, セリを開場する.
→◇D;仕入れ買い付け人は それぞれ自分の欲しいものを各競り場を回って選んで得る.
   →◇E;この買い付けた品物はそれぞれ, 市場カート・ネコで 買い付け人の車両まで運ぶ.
◆F;こうして 自分の車両元まで運ばれた生鮮荷物を 自分の車両に積んで,
   市場を出発して店に帰る.
 

この過程と作業量は, その種類と数量,毎日という頻度をみれば, 動物の各臓器における血液循環と同じである. この売り買いの物流は, 各交換流通の場面で, 人間の選択行動があってなされ, その意図性は,血液循環以上の意識的な主体性が求められた物流交換・転換作業である.

そうなると, この市場の設計は, 作業過程と交換・転換の物流, その最適形状を求めて造形されるフラクタル幾何学が そこには重要な指針となってくる

現稼働中の築地市場における, これを次のように最適化した; セリ場から買い付け車両までの物流変換の核心部分をみよう.

【現況築地市場コアB建物図】

A‐B-C; 円弧形のそれぞれで, 仲卸側は出店し, 買い付け人はそれをセリ落とし・買い付けて回って,

⇒★D-E-F; その買い付けた商品は

     「ターレ」や「ねこ」と呼ばれる運搬車で, 「茶屋」と呼称される買い付け人の車両ゲートに集配される.

   ⇒★【現況築地市場コアC建物図】D-F; この買い付け人車両は, 同時におよそ200ぐらいかの車両が   運航できるように, 駐車ポートをつけた桟橋状になっている.

このような物流の最も合理的な過程と場面構成で設計された 現況築地市場は 成り立っている. コアB図,及び C図両方とも, この造形を 幾何では フラクタル図形といっている.

建築エコノミスト森山は これを見出し,着目したのである.

 【A最悪没図】の設計者は こうしフラクタル図形的な物流・集配・配送の核心を(つかまえていない);

 「築地のことはよく知らない.(知ろうともしない!), 築地に行っても何も見えない(見る目がない.その核心である‘流れの科学’を知っていない・建築に活かせない)計画者たちが, この築地の (物流集配の図形的な)心臓部を摘出;廃棄していた. (そしてこの設計によって)築地が死んだ.

  だから 上手くいかない.(手直し費用もつり上がり), (途中で実行を頓挫させた!)」

ということとして 厳しく指弾(糾弾といってもいい.)している. さらに 厳しく;

はじめから 更地にして(殺してしまった)市場,ゾンビ市場(となったしまった市場建築計画)

  そして,これをそのまま パクった計画, (真剣な研究と検討を)サボった計画が 豊洲市場なのです.」

  ウッウ~ン これは鋭い

豊洲市場建物仕様の「使い勝手が悪い」ということは, いくつかのサイトで指摘されている.

   この問題を 都議会委員会でも 点検すべきである. この検討によって‘使い勝手が悪い’とういうよりは, 実際に稼働させれば分かるが, 市場作業が混乱して, 作業不能となる, そういう建物仕様であるということになろう.

こうしたお粗末なプランで, 豊洲市場は 設計計画され, 実際にも そのような建物が 設計され, 建てられているのである. となると 次の判断が 市場経営者たる都には求められる;

 

  豊洲 建物としても これで使えるのか この判断が必要

 

   こうなると 豊洲市場移転は, 生鮮市場として 全く使うことができない. 土壌汚染の深刻度だけでなく, 建築されたその建物も, 1000万都民の台所を支えることができないということである.

この市場で扱っている物流量は〈配送回数は 同時運行何百台・毎日総計 何万回数台〉であり, 世界最大規模なのだ. それを 一つ一つの物を 一つ一つの場面で 人の手と判断で 集荷・競り・買い付け仕入れ・分配輸送している物流である. まさに 何万個の生きた人間細胞が関わる人体の血液循環である.

   くれぐれも言っておきたい. 【A最悪没図】をそのままコピーして建築した【豊洲新市場建物】では, この集荷・競り・分配送という個別選択物流を裁くことができない. そういう建物設計なのだということ. 競り・買い付けという市場の通常業務が成立できないということである.

そもそも 【A図コピー豊洲新市場建物】設計者は 実際に運用させたときの 物配流と人間行動の動態解析をしていないのではないのか.

   ★豊洲市場設計者が この動態解析をしてないのであろう. これも監査してほしい.

   さらに言えば, 豊洲移転に対して, 都は 汗水流して築き上げた現築地の人気にアグラをかいて, 市場利用業者とその基盤にある都民に対しての市場利用のマーケティングもやっていないのだろう.

   実際に開場した時 市場関係者が 全く使いづらく, 不便であり, 途中で利用業者が愛想を尽かして他の市場に移り, 市場全体が活気をなくして 早晩 閉鎖となる. 【A図コピー豊洲新市場建物】は 築地改築工事の途中投げ出しと同様に, 没;死に市場建物となる.

    【A最悪没設計】者には,今後 数100年 維持発展させるという, 築地の生鮮市場建築の責務・課題意識;missionがない. それは 依頼者の都の姿勢を反映したものであろう.

 

特別・百条両委員会,及び 行政訴訟裁判で こうした建築問題も 明らかにしてほしい.

A; この豊洲新市場の建物の不備欠陥は, 通常の業務さえ維持できないというレベルであり, 豊洲市場地汚染問題と同様に, この豊洲市場建物の建築設計上の不備も 委員会・訴訟で明らかにすべきである. 全く この数十年間 都は その首脳部のお殿様のアグラかきにより, 為される行政機能が劣化したのであり, その成果物は 使い物ならないということである.

B; 【A図コピー豊洲新市場建物】設計は 実際に運用させたときの 物配流と人間行動の動態解析をしてしたのか, 例えば 円形カーブの所でのカートの運行はどうなのか, あるいは マグロの解体で必要な間口は確保されているのかどうか等 全ての過程において動態解析をしていたのかどうか.

C; そもそも お殿様の下で 市場開設者として東京都は, 築地の評判を勘違いして, 移転して新たな市場を開くにあたり. このマーケティングもしてない疑いがある.