生命 自然の交流/共同のいとなみ

エクセルギーなLife&Housingラボ(NPO) 自然の循環性に生きる生活と住まい方/営みの提案交流ブログ

都知事宛提案文書11/14直接注文・拠点集配型流通システムの解析

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書11/14】

C流通システム;

 《生産者・サイト;消費者の直接注文→●(集配)→●消費者へ》; 拠点集配型

 

C1; 生産者→消費者の物流は, ネット注文による直送宅配が 今後大幅に増えるだろう.

この様なネット通販による消費行動は 爆発的に増え, その宅配購入比率は今後 消費者が 町の小売店・スーパーから 直接買いする現在の買い物生活と比べて その生活材の購入率は ‘熱心なインターネット購入マニア’においては, 20%程度(日利用率で)の比重ぐらいに上がるのではなかろうか.

C2; 一括集約拠点の設定

現在,その中継・集配は, 大手宅配業者が, 各業者ごとに物流拠点を構えて行われている. しかし この流通業者の作業現状は目一杯で, パンク状態である. 現行の流通システムに根本的な欠陥があり, 流通・経済合理性がないからである.

 これを一括して取り込み, 集約拠点を設定して, そこから 東京都内の各地域に分配して,配達する. こういう《共同配送センター》方式の公設化がありうる.

ここでの取り扱い品は, 宛名記入梱包済みの 既に買われた商品である. 郵政郵便物の取り扱いと同様で, そのセンターの機能役割も同様である. したがって 公共性も同様である.

C3; 問題は 消費者の直接注文・お取り寄せ制の弱点である.

この流通システムには, 上記A1,及びA2のような競り市場機能がない. 特に 生産商品の品定め機能がないという弱点がある. それは 直接注文者個人の自己責任で行われる消費行動である. だから,‘賢い消費者’は ‘ためし注文買い’をして, 良ければ 継続注文者となる.

この弱点を補うには, 生産地での協同機関による選定, 通販サイトでの評価機能等 流通過程の中継における評価選定機能を充実させないといけないだろう. 現状では 過剰宣伝による消費トラブルがかなり発生している. この10年間の私的な体験では, 購入したが 意に添わなかった・リピータとならないショップ商品は, 生鮮食材以外の生活品では 2割ぐらいにものぼる.

 

 

  以上のような ,及びCシステムを取り込むようなシステムを造れないか.

B大手小売業者,及び C消費者個人注文お取り寄せ型の弱点をカバーする・支援するような

 新たな流通システムを 構築できるかどうか

  そのシステムの 需要有効・経済合理性があるかどうか

このような スーパーマーケット小売り業者 あるいは 個人が, 市場を抜きにした直接買い付け・流通集配利用する《生産者→中継集配→消費者へ》となるシステムは 本当に需要有効・経済合理性があるかどうか, このマーケティングをきちんと 公営の市場開設にあたっては, 専門的に研究する必要がある. 行政機関で集団的に研究検討することが必要である.

 

過って 宅配便が 郵政局だけで主に行われていた時代に 明治から100年続いた仕来りに風穴を開けて, 民間業者が初参入したのは, クロネコヤマトの創業者小倉正男である. そのマーケティングの戦略的思考はどのようなものであったか,次の本を読んでほしい. 経営学の実践的な指針テキストとなろう.

小倉昌男小倉昌男経営学』(1999年刊 日経BP社)

  これを読んで,研究し,案を練って提起し,

   それを集団討議をして検証し,練って練って熟考検討し,

    そしてやっと 行政の俎上に載せる.

   / ここまでやらないと,成功しないということ.

 

 

 今後 1000万都民の首都東京においては このA,B,C三つの流通システムが,少なくとも100年は, 並立利用となろう. 築地はAで, 豊洲の建物は, BとCの流通システムを取り込み,その機能を担った《市場機能を持った集配センター》とすることが そのマーケティング解析によって見通せよう.

(2,017/03/23完)