小さな町の小さな高校 1年生 滝本舞樺16歳の死
甘えん坊の「まいまい」16歳の死 親友は呼び続ける
【朝日新聞digital版】河崎優子、井上潜、遠藤美波
2018年9月8日20時23分
滝本舞樺さん(左)と山口海梨さん(2018年6月、山口さん提供)
「
集落が土砂にのみ込まれた厚真町吉野地区。北海道厚真高校1年の滝本舞樺(まいか)さん(16)が見つかったのは、地震当日の6日午後のことだ。親族によると、家は10メートルほど
舞樺さんの同級生の山口海梨(かいり)さん(15)は、いまも親友の死を受け入れられない。1学年22人の小さなクラスで、誰よりも仲が良かった。
6日午前3時8分。震度7の地震に襲われてすぐ、舞樺さんの携帯に電話した。4回かけてもつながらない。不安がつのる。
「まいまいの家は昔ながらの家だから……」
空が白んできた午前5時ごろ、たまらず4キロほど離れた舞樺さんの家に向かった。でも、途中で道路が土砂に覆われていて、行けなかった。その夜、遺体で見つかったと聞いても、信じられなかった。
保育園から高校までずっと一緒だった。中学のときに入った吹奏楽部で、山口さんはサックス、舞樺さんはフルートを担当した。部活で悩んでいたとき、舞樺さんが「海梨ちゃん、一緒に帰ろ」と気にかけてくれた。いつの間にか、一番仲のいい友達になった。
この春から高校に通いはじめると、毎日のように放課後は学校近くのスポーツセンターやコンビニでおしゃべりをした。ヘアスタイリストをめざしていた舞樺さんは、よく髪をアレンジしてくれた。地震前日の5日も、「海梨ちゃん、編み込みしてあげよっか」と言ってくれた。
舞樺さんは、よくじゃれてきた。携帯には、舞樺さんをおぶった写真がたくさんある。
地震が起きてから、ツイッターで舞樺さんに呼びかけつづけた。亡くなったことがわかったあとも。
8日には、こうつづった。
「わがままで意地っ張りで、でもめちゃめちゃ甘えてきて。いつも背中に乗っかってて。いつでも一緒だからずっとおんぶしててあげるから離れないでね。見守ってね」
(滝本その3)