生命 自然の交流/共同のいとなみ

エクセルギーなLife&Housingラボ(NPO) 自然の循環性に生きる生活と住まい方/営みの提案交流ブログ

築地豊洲問題 知事宛提案文書6/14豊洲の耐震性にも 重大な問題

 

【築地・豊洲問題シリーズその11都知事宛提案文書6/14】

 

豊洲市場建物の耐震性にも,専門家から 重大な問題が指摘されている.

 

それは 日刊ゲンダイ 2016年10月17日付報道の「森山高至氏へのインタビュー記事」である.

   ※ブログ『湯沢平和の輪』の又引きで申し訳ないが以下の通りである.

――建物自体の強度に不安があれば、移転どころじゃなくなります。「食い違い」とは、水産仲卸売場棟4階の床に敷かれているコンクリートの厚さが実際は「150ミリ」なのに、構造計算書では「10ミリ」になっていた問題ですね。床の広さを考えると、実際の建物には推計1300トン超のコンクリが加重されています。

  構造計算書の耐震強度が実際にはクリアしていない恐れがある。構造計算は2005年の耐震偽装事件以降、「ピアチェック」と呼ばれる第三者機関による二重検査が義務づけられました。豊洲市場は都自身と公益財団法人「防災・建築まちづくりセンター」の2カ所でチェックしましたが、両方とも「10ミリ・150ミリ問題」を見逃したのです。

  ――そんなことが起こり得るのですか。

  チェックしていない証拠でしょう。以前は豊洲市場のように自治体が建築主の場合、建築確認は「計画通知」だけで済んだ。単なる「通知」だから審査はありませんでした。耐震偽装後は計画通知もピアチェックを受けることになったのに、今回の二重の見落としは都の審査体制そのものに疑義が生じます。

 ――地下も相当、特殊な構造のようですね。

  そうです。構造計算上は「地上4階建て」と設定し、地下を無視していますが、実態は1階部分が地下にズドンと落ち込んだ「5階建て」相当と見るのが妥当ではないか。しかも、地下の空間は土留め用の「擁壁」で囲っているだけ。しっかりと耐力壁で覆われた「地下室」とはいえません。地震が起きたら、土砂崩れが生じる恐れもあります(別図)。

 ――建物が高下駄を履いて、宙に浮いているようにも見えます。

事実上は1階の柱だけを残し、駐車場などに利用する「ピロティ式」の建物と同じ状態です。熊本地震でもピロティ式の建物の柱が折れ、1階がつぶれる被害が相次ぎました。構造問題は真っ先に検証すべきです。      」

 

  豊洲の耐震性 もう一つの重大発見

 

上記,一級建築士の水谷和子氏作成の【豊洲汚染深度概況図】を見て,気が付いたことを述べる;

低層4階建て(実質5階)ということで, この地域の岩盤まで 支柱を下してなく,

  地盤は, 埋め立て地で, 外から運んだ軟弱土砂で埋め,

  それに 石炭残渣コールタールを加えて混ぜれば, この土壌は永久に固まらない!

こういう地盤に建築した豊洲市場建物は 泥地盤に建てたと同じである. 地震時にさらに液状化して, ピロティ式の地中支柱は, 揺れて その役を果たせなく, その揺れが続けば 折れる.

 東京湾深部で 震度6以上の地震発生は 100年スパンではどうなのか;

中央卸市場の建設は, 100年の計である. この100年スパンの単位で見通せば, この東京湾深部が 震度6規模以上の地震に見舞われる確率は かなり高い.

根拠はこうだ; こうした規模の震源地は, 関東大震災(94年前の1923年M7.9)を起こした東京湾深部も含めて, 関東地域では 6カ所ある. これが この70年間どこも起きていないのだ. その地殻エネルギールは 解放されていないということ.安政江戸地震(M 7.0〜7.1)は, 162年前の1855年である. この前後に 東海・東南海トラフに関わる大地震も連続して起こっている. 東京湾深部地域に関わる 震度6以上の地震は 他人ごとではないのである.

 

豊洲利用の判断の前に, この液状化傾向の軟弱地盤の上に立つ, 豊洲市場の建物の構造強度解析を 必ず やって, それを公表していただきたい.

 そのとき 構造強度計算上は, 豊洲の建物は,地下空間部分も入れれば, 5階建てであることをお忘れなく.

《姉葉耐震性偽装事件》とは言わないが, 軟弱基盤にピロティ方式で立つ豊洲市場建物には 少なくとも震度6台で,大丈夫なのか 検証してほしい. 関東大震災時に, その復興の役割をもって建築された築地市場のように, この関東地域における 今後100年間,この規模の地震災害が起きても, 関東地域の復興の役割を果たせるように 生鮮食材の集配センターとなってほしいのである. 陸上輸送流通が 不可能な時は, ここには 海上輸送も可能である. そして何よりも, 昼夜24時間稼働して, 数千人が働いておられる中央卸市場である. 一人も一人も死傷者を出さないでほしい.

豊洲市場建築のこのままでは, こうした災害が起きっとき, その甚大な人的被害に対しての行政上の瑕疵が問題となろう.

豊洲設計は 余りにも無頓着・無思慮である. これもまた 落札率99.5%に見られる, 公共建築の‘依頼者側のプラン要求’のなさの反映なのであろう.