生命 自然の交流/共同のいとなみ

エクセルギーなLife&Housingラボ(NPO) 自然の循環性に生きる生活と住まい方/営みの提案交流ブログ

STAP細胞騒ぎ 根本から間違っていないのか(その2)

 実験とその論文発表,及び再実験と検証

ということになると,実験とその論文発表,及び再実験と検証も,このことを充分に認識して掛からないといけない.

 

1外部のストレス性刺激による細胞:遺伝子変異は,その複合度・進化の度合いが異なるということ.更にはそれぞれの出現確率は特定的である.これを癌細胞発現の状況と単純にくらべてみる;その発現は,日当たり発癌個数5/生体全細胞数60兆個= 8.310-5 となり,10=10,0000分の1オーダーレベルの発現率の問題である.

  だから,STAP細胞に関わる実験・検証再実験,及び発表に当たっては,少なくとも10万分の1単位のオーダーであることを念頭にされたし.これは,また細胞育成における逆進化の進度レベルにもよることを同時に留意してほしい.

 

2この確率での再現実験にあたっては,その方法が国際特許事項ということもあり,公開できない部分もあろう.それだけに,その根拠:依拠データは次の条件を満たすことが求められる.

A;何時・どのような概略の実験をしたか:実験のアカウント性の明記

B;その結果は,生データを必ず,原資料として提示・掲載すること.このデーターの使用は,公開性である.

C;STAP細胞生成の手法の核心は,国際特許とも関わり守秘してもいいが,そのデータ解析と説明のためのデータの加工は,その加工方法を同時に明記すること.これは秘密事項ではなく,Accountabilityである.

D;現代の科学技術は,その処理が,高度の装置によるものであり,このシステム自身の検証もまた,その信頼性を担保すべきである.

 

論文発表にあたって機密の厳重な管理と国際特許同時申請を

発表にあたっては,その特許性を担保することを厳重に守ってほしい.現代の科学技術は,産業技術の発展とそのレベルによって,それが直ちに実現技術となり製品化される.その商品化価値は時には何兆円以上ともなる.STAP細胞現象の研究はそういうレベルの研究であることをクレグレも自覚してほしい.研究業界・マスメディアにあっても,この必要な機密性の保持について,充分な理解と配慮が求められる.

この点で,4月9日の小保方さんの記者会見は,iPS細胞発表時の山中伸弥氏と同様に(むしろここから学んだと言った方がいいのだろう.),マスメディヤの抉り獲らんとする咬みつきに,自らを自制して耐え,公表できないことは,拒否して発言をなされていて,立派であった.

若い研究者の偉大な挑戦が,突出して騒動となったが,こうした発表においては,内容結果の発表時と同時に,細胞形成の手法の最も重要な核心となる技術については,国際特許を申請しておかないといけない.記者会見での発言で,「コツがありますよ」なんてサラサラと言えるものではない.また,それを「言え.でなければ信用できない」と脅すようなことは,あまりにも聞く方が未熟だ.

論文指導というが,一番大事な指導は,この国際特許申請である.理論論文の場合と異なる.これは,即実現技術から,産業技術となり,何兆円の商品価値となる技術である.余りにもオットリ構えすぎる.これもまた,自由闊達を旨とした初代創設者仁科芳雄博士の気風を引き継ぐ理研の体質なのであろうか.

 

 

 小保方氏等の研究の評価

 

1枝元STAP細胞・万能幹細胞等それぞれの細胞育成史レベルのSTAP細胞に対して,そのメカニズムを分子生物学の重要テーマとして位置づけて,今後総力を上げて,何十年も掛けて追究して解明することが求められる.この展望から見れば,今回の小保方論文発表は,端緒となり,大変重要であった.

 

2そして,器官部位・機能体の病変異をその部位の細胞群のSTAP細胞とその部位細胞の共同による作業で修復ができる医療の展望につながるものとして,このSTAP現象を重視することである.今回の小保方論文はそれにつながる大変重要な提起であった.

 

3またこのメカニズムの解明が,発癌性病変のメカニズム解明の重要な体系と同型をなしており,がん医学の進歩にとっても重要な契機となるものである.

 

 

最先端技術の発見・発明は,リスクが伴う  だからこそ挫けずに前へ

小保方氏をはじめ研究者のSTAP細胞研究に対して,‘挫けずに更に前へ’を期待する.最先端技術の発見・発明は,リスクが伴う.失敗が伴う.それを恐れてチジ篭ってはいけない.一千回・一万回のうちの一回の事実の出現でも,それが事実として科学現実の真実となる.そして科学の世界では,確実に大きな発展に繋がる,大いなる基盤となる事実となるのである.惑星間帰還衛星‘はやぶさ’の開発グループの‘リスクが伴う  だからこそ挫けずに前へ’という気概には,大変勇気付けられる.STAP細胞研究もまた,国際的にも最先端の研究であり,その開発は最先端技術である.

 

日本の科学研究業界,及びマスメディアの品の悪さ・知性の低さが露呈/ ともとられよう

日本のマスメディアが,彼女の私的なことまで,穿り出して騒ぎ立て,研究業界でも,出た釘を「捏造だ・悪意だ・全く未熟だ」等の悪罵を投げて,パッシングしては,ミットモナカロウ.そういう発言・報道をする方こそ,‘魑魅魍魎チミモウリョウ’である.ここで‘チミ’を逆さまに言い換えると‘未知・未明・無知’であり,自分が何を言っている理解してないということ,そしてさらに‘モウリョウ’を‘モウロウ’と読み換えれば,STAPなることに朦朧としているのである.

 

STAP細胞の探究は,世界の科学技術における最先端のテーマである.今後必ずこの小保方論文に刺激されて,確実な技術を持って,鮮やかな研究成果が発表されよう.そのときに,今回の騒動にみる研究業界とマスメディアの異常現象は,‘下っ端の無知な森の石松’であったと笑いものにもなろう.そう覚悟をしておいた方がいい.

 

(執筆担当;エクセルギーハウス技術開発研究所主宰Y.K)