生命 自然の交流/共同のいとなみ

エクセルギーなLife&Housingラボ(NPO) 自然の循環性に生きる生活と住まい方/営みの提案交流ブログ

従来の屋根概念を変える. 《波鋼板屋根造り・気化冷却方式》【シリーズ6/10】

従来の屋根概念を変える.

《波鋼板屋根造り・気化冷却方式》の有利四点

 

M1;効果量増倍

この波鋼板屋根滴下方式》の方が,現行のエクセルギーハウス平鋼板天井滴下方式》よりも,家屋2階建坪の面積を丸々この気化面積とすることができ,加えて正三角形図形形状から,面積は2倍になり,その上で吸気口・排気口の風の道がついているので,冷エクセルギーの取出しには,効果的である.さらに,これにファンで強制送風してもいい.加えて,《気化促進絨毛シート》を貼り付けるのであり,おそらく従来の《ガラスウールを貼った鋼板の天井滴下方式》と較べて,冷エクセルギーは,総合すると4倍ぐらいに成果量は多くなろう.

 

M2;除湿フィルター併用可

現行の《鋼板天井滴下方式》エクセルギーハウスでも,鋼板天井の気化によって得られる冷気は,湿っぽくて,天窓を開けて除湿する,あるいは夏場でも,1階屋根の軒下に布団を出して乾かすなどの工夫が必要であった.《鋼板屋根滴下方式》では,屋根裏の冷気を天井に除湿フィルタ‐を張って,そこに通して降ろすことで,これを解決することができる.天井鋼板滴下方式では,部屋に直接接して稼動させており,除湿機能を持たすことは,新たな発明が必要である.

 

M3;工法の簡便さと建築単価

鋼板屋根方式》は,《鋼板天井方式》のように,屋根裏に,南北窓をつけ,高くて大きくする必要がなく,屋根そのもので蒸発気化冷却をなすのであり,構造が特殊でないので屋根・天井の張替え改修でも可能で,一般普及しやすいだろう.そして,波板屋根造作は,波板自身が梁となっていること,及び屋根裏が必要としないということで,工場屋根や鉄道ホーム屋根と同じく,工法も簡単であり,建築単価も安く造作できる.

 

M4;4種類の機能性パネルを設置しやすい

《波鋼板屋根方式》は,屋根そのものが梁であり,構造枠である.となると,従来のように,屋根の上にいろいろの機能性パネルを載せる工法ではなく,合体して設置する工法となる.屋根が,四層で一体の設置工法ができる.こうして屋根工法は簡単となり,より広く・容易に機能性パネルを設置できることになる.太陽光発電パネルは,その寿命が20年ぐらいと言われている.この20年間隔ぐらいの屋根パネルの葺き替えでも,パネル一体型の《波鋼板屋根方式》ならば,現行の太陽光発電パネルのような,屋根の上に架台を設置するという大変な施工,したがってその張替え工事の大変さとも違って,容易に,合理的に,安価に,張替え工事が可能となる.

気化熱の威力,及び屋根に降り注ぐ雨,太陽光エネルギー量の計算【シリーズ5/10】

【参考資料】    

気化熱の威力,及び屋根に降り注ぐ雨,太陽光エネルギー量の計算

  (エクセルギーハウス技術開発研究所2014.9.6計算)

 

詳しくは,『我が家の屋根には年間どのくらいの太陽光と雨が降りそそいでいるのだろうか.そのエクセルギーはどのくらいなのか,計算する』を参照してほしい.以下にその要点を述べる;

    ※このレポートは,BS朝日の番組『緑のコトノハ』で,2014年10月上旬に放映された番組のために作成された資料の要点である.

 

雨,太陽光を受ける屋根の広さ

    以下は2階屋根の広さの概算;2階の建坪で,5×6間=30帖分;99の家屋での計算である.

 

一軒の屋根の降雨量

東京都年間降雨量(1981~2010年平均1529ミリ=1.5メートル1.5m×99㎡=148.5トン  

 

水の気化熱

《萱ぶき屋根の家》の仕組みと同じ原理で,水の気化熱を利用して,家屋の冷房をするエクセルギーハウスの場合,エアコンと能力を比較してみる.

1)気化熱量は,1cc(1gのこと)当り539.8cal(100℃の沸点での蒸発熱)であるが,気温35℃(夏場猛暑日)のときは,577cal となるので,水の蒸発熱1cc580cal=0.58kcal として計算する.

)消費電力500Wのエアコン稼動と同じ冷房能力は,どのくらいの水の気化熱と等しいのか

 計算してみる.

①消費電力と冷房能力の比率は,機器ごとに《成績係数COP》として表示されているので,それを一応COP=5としよう.そうすると,2.5kWの冷房能力となる.これをカロリーに直すと,1cal=4.18Jより,

1時間の冷房性能は,1kW=860kcalなので,2.5×860kcal=2150kcalとなる.

②しかし,それを常時稼動させているわけではなく,センサー管理によって稼動は1/2~1/4ぐらいという.

そうすると,エアコン稼動は12時間,その1/4として3時間分の稼動冷房量は,6450kcalとなる.これは,1)の換算式より,水の気化熱量としては,11Lの水量蒸発分となる.

  ③気化方式のエクセルギーハウスは,24時間稼動であるので,この冷却カロリーと等しい気化量は,1時間当りの気化水量は,0.46Lになる.ペットボトルの4分の1ぐらいを1時間で蒸発させる性能があればいい.

性能比較すると,エクセルギーハウスでは,1時間1平米当り460cc/99㎡≒4.6cc,1日では1平米当り,110gを気化させれば,24時間で,消費電力500Wのエアコンと同等の冷却効果となる.

 

大気熱・風水の気化に対する凄さ

  大気熱,及び自然風が,水の気化に対する性能はどれくらいなものかを計ってみる.それは,何のことはない.日常的にやっている家事である洗濯物で分かる.サイズ76cm×33cm=0.25㎡(この面積の裏表両方分としてみることになる.)のタオルで,水にぬらして脱水した重さは,210gで,それを乾燥させると130gとなった.その差80gが真夏日の日中,半日陰4時間ぐらいで,乾燥してしまうということになる.

 

《伝統的な萱ぶき屋根》では夏場の冷房として,雨を萱の髄まで染み込ませて,保水し,それを暑い晴天時に,蒸発させて気化熱で家屋内部に冷気を落とす仕組みを造っているが,その物理的な根拠がここにある

ナンと水は偉大なことか.戦前において既に,ブルーノ・タウトは『日本美の再発見』岩波新書1939年刊)において,《和の伝統的な建築》の素晴しさを絶賛したが,萱ぶきの屋根における雨水の働きを巧みに使う建築技術の素晴しい知恵に驚嘆したものであった.日本建築は,自然素材を生かして,自然の循環性との共生の建築として,その機能性を進化させた結晶である.タウトは,桂離宮の美しさを賞賛したが,その美しさの本質は,ここにあると言えないか.自然との共生・交流,その機能化,機能の究極形としての美である.

現代技術では,これを《波鋼板》を屋根梁に張り,その上側に,《気化促進絨毛シート》を張った屋根を造って行う.それがエクセルギーハウスの仕掛けである.

この気化能力は,直射日光が当たらない風通しのいい屋根上,あるいは,屋根裏での1平米当りの気化量では,どのくらいなのであろうか.24時間行うと,80g×6倍時間×(1平米はタオル面積の片面分の8倍)=3840gである.しかし,暗室であり,夜は気温も低くなろう.気化量は,タオルの半分ぐらいとして,さらに,タオルと異なって,水でぬらしたグラスウールを鋼板に敷いて気化させるのであり,性能が落ちて,1/4として,併せて,1日480gぐらいになろう.

大気熱・風もまた,大した威力である.上記の家屋気化で必要な冷熱量の,およそ4倍に当たる.面気化方式において,親水性・熱伝導性素材を生かして,熱採集の技術を高めれば,この機能レベルまでは,実現できるということである.

 

太陽光とエネルギー量

NEDO日射量データベース』「年平均全天日射量の平年値」より

年間では,1㎡当りで,12MJ/㎡・日=12MJ/㎡×365日

これをkWに変換すると               =12×365×0.2778kWh=1215kWh

 我が家では  1215kWh×99㎡=120329kWh=12万kWh   ・・・(H)

一般の住居屋根には,年間電力使用量のおよそ50倍の熱エネルギーが降り注いでいることになる.

原発と比較すると,1基最大出力100万kWの場合,

電力量は年間75%稼動6500時間で,650000万kWh・・・・(A)

A/H=650000÷12=650万所帯屋根(千代田区の面積相当)に降り注ぐ太陽光エネルギーとなる.

別のデータでは,『東京都環境局;ソーラ‐屋根台帳』の,地点別で「府中の年次発電量」を読み取ると;

4kW発電パネル(200wh性能を20枚)を載せると年間発電量3841kWh/

※上記発電量は,我が家に降り注ぐ太陽光へ津伝エネルギーの12%相当である.

 一般家庭の年間の使用電力量をおよそ2400kWhとすると,その1.6倍となる.

 

 

  以上の計算で自然の循環性に生きるエクセルギーハウスの根拠が分っていただけると思う.

 

雨,そして雪

   

    太陽光

    大気熱

    環境輻射熱

 

  これらの自然エネルギー・物質は大量に降り注ぎ,大量に家屋に当たっているのである.これらの自然エネルギー・物質の利用;交流と共生は,萱ぶき屋根の養蚕農家に建築の進化の典型が見られる.それを現代の技術に用いて,都市部でも実現できないのか,探究され,模索試行がなされている.エクセルギーハウスは,その一つの提案である.

夏場の冷房:《伝統的な萱ぶき屋根》と 現代技術の《気化冷却波鋼板屋根》【シリーズ4/10】

Ⅰ.夏場の冷房:《伝統的な萱ぶき屋根》では雨を萱の髄まで染み込ませて,保水し,

それを暑い晴天時に,蒸発させて気化熱で家屋内部に冷気を落とす

 

 

仕掛け;①工場の屋根で使う《波鋼板》を屋根梁に張り,その上側に,《気化促進絨毛シート》を張って屋根を造る.

※この《気化促進絨毛シート》は,機能条件,及び製造方法も含めて,次頁で改めて考究をする.

★実際にはこの《気化促進絨毛シート》を貼った波鋼板を,メーカ‐で事前に製造してもらうことになる.

            ②現在のエクセルギーハウスで行っている‘2階天井に鋼板を張って屋根裏部屋で気化させる方式’ではなく,この《気化冷却波鋼板》を使って,屋根の梁に設置して,この屋根に.水を滴下して,蒸発気化熱を生み出す.屋根裏空間すべてをこれで冷やして,家屋全体に配る.

  《気化促進絨毛シート》について,現行の製品化技術では,3つの気化性能レベルがある.

それらの建築材料の開発完成にしたがって選択・使用することになる;

   第1気化性能レベル;現行のエクセルギーハウスで既に使われている《グラスウール》

                   気化性能は,夏場の外気温よりも,2階室内を5℃下げられ,高断熱の家屋全体が,冷やされ,猛暑日外気温35℃以上のとき,430Wのエアコンを補助として使えば,充分である.

   第2段階性能レベル;既にメーカ‐によって製品化されている素材を加工して使う.

                   屋根全面が気化冷却パネルとなっている設計で,猛暑日でも,エアコンの補助なしでも家屋の住空間が,快適性維持をできる性能レベルを狙ったもの.

   第3段階性能レベル;全く新たに,提起した製品を開発して使用するもの

気化冷却が,冷エクセルギーの分離であるという原理の過程の核心を捉えて,全く新たに,素材設計を提起して開発する.この開発製品は,汎用であり,広範囲な建造物に適用ができる.

   

冷空気から除湿して部屋に降ろす.

③2階の天井を《除湿フィルターすだれ》にして,冷気を家屋全体に降ろす.

★この冷気から,湿気を抜くために,萱ぶき養蚕農家家屋では,《すだれ天井》でやっていたが,機能が不十分なので,《除湿フィルターすだれ》にする

※製品化されている《ゴアテックス生地》のような,通気・除湿機能を繊維シートでつくったものである.

 

 

  付帯設備についてこれは施工の重要な留意事項である.

大事なことは,蒸発気化を促進するには,その蒸発現場での飽和性の迅速な除去である.『湿り空気線図』をみると,これが一目で分る.このことを線図から読み解いてみよう;

気化冷却装置の性能成果を示す数値は湿球温度計の温度が,その時の気化鋼板の温度である.》

猛暑日外気温35℃のとき(乾球温度温度),

相対湿度60%では,湿球温度は26℃となり,同湿度で80%弱では,30℃となる.

気化蒸発現場で,この20%の湿度差をつくりだすには,この現場に,風を当てて,つくることである.これは,我々が既に体験済みで,衣類を干す時の大事なコツであったはずだ.

  ということで,次の付帯設備を重視してほしい.

1.必ず,軒下側に吸気,屋根天辺側に排気口をつけること.

★横一列に並んだ全ての口をまとめて開閉する自動開閉装置がいい.既に高窓の開閉機が作られているので,それを使う.

2.三角形屋根の天辺の排気口には,自然風利用の風力回転ファンを取り付け,排気促進を図ると,さらにいい結果が出る.

      ★これは,今までのエクセルギーハウスでは設備してなかったが,長筒型の大変優れたプロペラファンが開発されている.自然風力利用ということで,夏場の気化促進の排風と,同時に,それ以外のシーズンでは,発電用に使うことは,大変おもしろいと思う.晴天でなくても,夜間でも稼動する.特に,冬場において,風が強いシーズン(あるいは地方)では,自然エネルギーの利用としては,大変有効である.

  ★これは屋根の天辺にそのまま,萱ぶき屋根の腰屋根の代わりに取り付けるというものである.見た目もそんなに大げさでなく,家屋景観も悪くはない.一般家庭で風エネルギーの利用の形態は,この屋根天辺横筒ファンが一番いい方法と思えないか.住居における風の利用は,気化促進と,家屋内の優しい微風と排気に併せて,その電力化がいいだろう.これによって,エクセルギーハウスの自然循環性エネルギーの利用,制御と調整は,太陽光,風と雨,大気熱,環境輻射,気化熱と,多様にして完結する.

※雪の利用は,住居家屋ではどうするのか,まだ未解決である.住居にとって,雪は除雪を強いる厄介者であるのだろうか.それとも,雪もまた,素晴しいエクセルギーとなりうるのか,雪の女王となるようにさせる知恵ある騎士の登場を期待している.

   

萱ぶき屋根養蚕農家の造作原理を生かして 現代技術でもって更に高い機能性の自然快適性住居を造る【シリーズ1/10】

エクセルギーハウス技術開発研究所  2014.9.8

エクセルギーハウス完璧仕様レポート完成2014.9.17

 

萱ぶき屋根養蚕農家の造作原理を生かして

現代技術でもって更に高い機能性の自然快適性住居を造る

 

萱ぶき屋根の機能とその造作原理に基づいて機能を現代技術で再現する

   関東・東北,飛騨,北陸など,必ずしも年間で温暖でもない土地においても,養蚕農家は,お蚕さんの繭を,一年間で三毛作も為せる驚異的な技術を持っていました.それを支えていたのが,お蚕さんの住環境たる萱ぶき屋根の家屋だったのです.もちろんのことそこでは電気・エアコンも使わず,夏は涼しく,冬は温かい住環境を造っていたわけです.そこには,自然の素材を巧みに生かした,優れた知恵がギッシリと詰まっていました.それを,現代の科学技術で解明して,工業製品化して,再現したい,ということで,提案するものです.

その建築設計のコンセプトは;

住居の温熱環境には,系統電力を使わないで,

太陽光・輻射熱,大気熱・風,

さらには雨水も利用して蒸発気化熱を生み出すなど,

住まうその場所で,エネルギー・物質の自前供給をして

自然原理を生かしたローテクで,

自然の循環性を活かした,最も快適な住空間を創出する.

住居家屋も,環境の中で交流して生きる生命体として扱った設計こそ,

生きて生活を営む人間にとって,最高の快適性となる.

 

 

都市部家屋の従来からの屋根造作を代えて,《機能性の屋根》に張り替える.

屋根は,現代の住居のような防風雨だけでなく,住居の温熱・調湿環境の調整・制御において,重要な役割を持っていた.天空より降り注ぐ冷暑熱エクセルギーの統御,夏冷房・冬暖房,そして四季を通して調湿機能を持つ大事な機構である.伝統的な和の建築,特に養蚕萱ぶき屋根の家は,この屋根に4機能を総合的に持たせて,家屋の温熱湿環境を自然に自動調節をさせて,お蚕さんだけでなく,人間にとっても,快適な住空間を創出してきたものである.我々も,これに学び,この萱ぶき屋根養蚕農家の造作原理を4領域で,現代の科学技術で再現,高機能化をなさしめようというものである.

この方式の住居は,建築士黒岩哲彦氏によって,‘自然の循環性を活かした機能性の高い現代の家’ということで,「エクセルギーハウス」と命名され,2007年に(世界で)始めて,一般住居として建築され,その後,現在までに12棟が関東を中心に建築されている.このエクセルギーハウスのコンセプトとなっている建築指針は,日本という温帯多雨・夏季猛暑地帯において,電気エネルギーを使わないでも,快適な住居を建築できることを示したものである.

黒岩哲彦著『エクセルギーハウスをつくろう(コモンズ出版2014.5.1刊1800円)をご覧くさい.

 

この提案レポートでは,エクセルギーハウスにおける夏場の家屋冷却機能を中心に検討し,これまでの気化冷却方式の仕掛けを進化させることとしたい.

これまでのエクセルギーハウスの気化冷却方式は,《平鋼板天井滴下方式》であった.これは,平鋼板を2階部屋天井に張り,屋根裏で,この鋼板に張ったグラスウールに,定期的に水を滴下させて,気化熱を取り,冷エクセルギーを鋼板から部屋に取り入れるという方式である.気化推進と屋根裏の湿気を溜まらせないために,50×123㎝の広さの窓を屋根裏南北2枚ペアで,1間に1組取り付ける造作にしている.この方式によって,後述【参考資料】で示したように,エアコン性能を越える家屋全体の冷却がなされ,部屋周囲面の冷却輻射によって,人体には負荷の少ない快適な住環境を創りだすことができるようになっている.

  このレポートは,こうしたエクセルギーハウスを改良して‘さらに効果を増倍させ,合理的な・シンプルな仕掛けで為せるようにしないと,広く普及させることはできない’と考え.構想を練り,ここに提案するに至ったものである.その改良の焦点は,屋根造作における気化熱採集方法の仕掛けについてである.

 

 

  このレポートを読まれ,エクセルギーハウスの住居建築を試みてみたいと思われる方;

ご一緒にやれる建築士,施主,ハウスメーカ‐,工務店,素材メーカ‐の

ご連絡をお待ちしております.

 

モデルハウス公募申請の評価基準は,次のように考えております.

エクセルギーハウスは,次の評価基準を実績に基づいて最高の成績で為せます.

 

系統電力を使わずに,その住居のある場所で得られる自然再生エネルギーだけで;自所性

大量電気エネルギー使用でない,ローテク・ローエネで;エネルギーと技術のエクセルギー指針

最も高い居住性,最高の快適性住居の確保が為されること;住居の最高の快適性確保

自然環境・地域街環境に負荷をかけないで,むしろその向上に寄与できる

   持続可能な社会への貢献をなせること;公共性・環境負荷なし・持続可能社会への貢献性

電力等社会必要エネルギーの生産に寄与できること;積極的公共性

一般家庭でも,実現できる費用での建築が為せること;普及経済用件

 

 

提案者連絡先;

エクセルギーハウス技術開発研究所(NPO準備)  略名【ExeHouラボ】

183-0042  京都府市武蔵台1-30-5    042-325-6442(川上)

 

設計支援を行います;

黒岩哲彦一級建築士事務所;  所名《k.kエクセルギー建築設計;旧名《アルキテクタ》

     181-0011  東京都三鷹市井口3-18-53-301 042-231‐3761

 

エクセルギーハウス建築ワークショップ  ;計画予定

モデルハウス建築公的コンペ  ;申請希望

音楽を奏でる風鈴作り

風鈴のパイプの長さをどうするの?

 

音階って何に

 風の音楽は,どんな音階がいいのだろうか

  人間が音楽を奏でるとき,それは音階を利用します.メロディーは音階によって表現されるからです.音階は,《平均律》だけではありません.それはやっと近代になって創られ,西洋音楽で基調としたものです.人類は,長い数千年,いや数万年の歴史を経て,それぞれの民族は,その音階をいろいろ工夫してつくってきました.ピタゴラスの音階をはじめ,沖縄音楽の音階などです.日本の演歌も,現代は,基調は平均律ですが,元は,朝鮮歌謡のルーツと同じ,ヤマトの独自の音階であったはずです.

  それで《音楽を奏でる風》にあたって,最も相応しい音楽は何だろうかと考えます.それは,風の民たるそれぞれの民族の音階であっていいのです.ここでは,最初ですので,平均律の基となっている《純正調音階》で,風鈴パイプを設計してみます.この音階は,共振;和音と属音,階調;完全5度の跳躍,転調の自由度最大等の性質があり,「神が創った」といわれるほどです.人間が近代になって理想とした《平均率》は,これを基にして創られたものです.両者の誤差は,千分の八~0の差です.

 ※PCサイト記事【音階】検索で【神の作った?音階=純正調音階について】を参照しました.

       この記事は,大変面白いので,是非お家でも開いて読んで見てください.お勧めします.

 

3音の音階で風鈴を創るときのパイプの長さ

和音:共振の最も基調となる音階1音階の連続3音,例えばドミソでつくります.1本のパイプから3人分をとることにしたいので,そのパイプの長さの比率と切断の長さは次の通りです.

※これ以外の音階を取り入れたい方は,上記のサイト記事をご覧下さい.

 

3音合計のパイプの長さ1820÷3=606.7→3音の合計37で割って,1単位16.4ミリ

基準の長さ          整数比率は   15   パイプの長さ      246ミリ

基準の長さの  /                 12                   197ミリ

基準の長さの  /                 10                   164ミリ

 

 

風鈴の制作進化をさせると

《沖縄音楽の音階》にすると,森山良子『サトウキビ畑』が奏でられ,

《インドネシヤ・バリ島音階》でやると,バンブー風鈴を奏でることになる.

オクターブ分の8音階で,奏でたいときは,その長さは,上記のサイトを見てください.このときは,ステンレスパイプでは重いので,音は小さいのですが,アルミパイプをお勧めします.

青少年のための科学の祭典 発表ワークショップ参加

「青少年のための科学の祭典」参加企画

;発表者グリーンネックレス     2014.8.28

日時;平成26年8月31日(日) 9時30分開場  場所:東京学芸大学N棟N207

今年度テーマ;   体感から学ぶ住まいの温熱環境

 

発表テーマ「住まいにおける風の役割」

最近の建売住宅の建築コンセプトは,断熱・完全密封の家屋に,エアコンをガンガン稼動させて,室内の温度・湿度環境をつくりだす方式です.本当にこれが,快適になるのでしょうか.何か,生合成アミノ酸調味料をガンガン使ってつくられた食品が,「美味しい」ということと同じ発想です.これが,本当に美味しいのでしょうか.

  植物は,気孔を持ち,呼吸しています.微かな,柔らかい,優しい風がなければ,呼吸が止まって枯れてしまうのです.冬季に温室に密封して置かれた植物は,根が腐って死んでしまいます.あるいは,室内のエアコンの前・下に,長時間(毎日ということ)置いておくと,葉が枯れてしまいます.そんな体験をなされた方もいらっしゃるでしょう.植物だけでなく,動物も,皮膚で呼吸し,それが進化した呼吸器官で呼吸して生きています.環境を感じる最も高いセンサーは,動物にとっても,皮膚・呼吸器の呼吸なのです.だから,最も快適な住環境・都市環境の一つの大切な条件は,皮膚・口鼻・体に,微かな,柔らかい,優しい風が吹くことです.

  この企画主宰者のグリーンネックレスは,最高の快適性は,自然の循環性に生きること・交流することにあるのではないかと,住環境,及び都市環境の設計・企画・建築・建設を追及してきました.この科学の祭典においても,一昨年度「室内周囲面の温熱調整と体感度」,昨年度は「室内環境の湿度の役割,ポア珪藻土壁の実験と壁塗り体験」と発表しました.

今年度は,テーマに,「体感から学ぶ住まいの温熱環境」を掲げて,「住まいにおける風の役割」を研究・展示しようと準備してまいりました.さらに,参加者のワークとして,風鈴を製作します.

風ってどんな音楽を奏でているのだろうか.

あなた自身が,作曲家であり,指揮者です.

どんな風鈴を作ったら,どんな音楽が奏でられるのか.    楽しみですね.

 

展示発表・ワークショップの内容

 

A;住まいにそよぐ風を日本の家屋は巧みに作っていた

    家屋の窓の設計;

南窓は大きく,北窓は小さく.

出口がなければ風は通らない;浴室,あるいはトイレの窓の作り方

北側の下窓の効用

厨房,あるいは階段の吹き抜けの効用

京都町屋の中庭の設定

養蚕ヨウサン農家の2階構造と窓の採り方

東京多摩地方の農家庭樹木の植え方

★家を樹に街を森に;ビルの壁も,道路面にも植栽を.街に風の路を設計する.

※家屋模型を持ち込んで,色糸で,室内の風の路を展示

B;風が奏でる音楽と光

  インドネシアバリ島の三つの風鈴   ※3点とも,通販御取り寄せショップ名『アジア工房』

    ◇バンブー・ココナツ殻でつくったウィンドチャーム;癒しのナチュラル・プリミティブな音色

   ◇虹色の木の葉が奏でるすりガラスのウィンドチャーム;透き通るような音色の手作り作品

   ◇15音階の音色を奏でる金属細管パイプのウィンドチャーム

日本の風鈴;  ガラス製と鋳造製

音楽のアンサンブル風鈴試作品

C;工作のワークショップ;音楽を奏でる風鈴を手作りしてみよう.

   材料

  直径30ミリの金属パイプ   ※鋼パイプ180センチ569円から,3人分取れる.(一人分190円ぐらい)

★パイプカッターφ32㎜カッター1219円を購入して,パイプを3本の音階長さに切り取る.

★各パイプの上に,吊るし穴を開ける.※メンドクサイならば,糸で輪通しをして,吊るしてもいい.

  撥バチ・plectrum用の錘オモリ

★硬い木製か,金属の金具  ※木製のときは,事前に製作のこと.

  吊るしリング

★カンズメの空き缶を利用して,上下の円形部分をカンズメ切りで作る.  ※事前に製作のこと.

  吊るし糸

    ★太目の糸※円の中心バチを吊るす糸は,回転が良くて,捩れに耐えられるようなナイロン糸にすること.

  風受け羽根紙

★風を受けて,ランダムに動く羽根を吊るす.

材料は,スーパーから買った果物の透明のトレーが,薄くて軽く,しかも形を維持して風を受けるので,最適である.  ※参加者が,家に持ち帰って自分で切って吊るすようにさせる.

※ランダムに,微風でもよく動くようにするには,紙の広さ,形は一番どうしたらいいのかを自分で研究する.羽根の作り方も,科学の凄い原理(流体力学)が隠されている.これもいい勉強になるよ.

※カラープラスチック紙でやるとカッコウがいい.光が反射して,室内に模様のモビールデザインが投影される.

作り方の原理

1)平均律音階の仕組みとパイプの長さ

※今回の工作は,3音階ドミソの3本のパイプのみで作る.長さの比率は,1:2/3:1/2=6:4:3

2)円形のリングに,3本のパイプを上の高さを合わせて吊るす.

※糸の長さは,吊るす結び目分(5㎝)→リングまで(15㎝)→パイプまで(10㎝)→結び目分10㎝=40㎝ぐらい

★3本の錘を吊るして,重心が真ん中になるように吊るすには,どうしたらいいのかな.3本は何度ずつかな?

3)リングの中心になるように,撥オモリを吊るす.

※吊るす先端結び目分(5㎝)→「撥をパイプの真ん中でクリップで留める(15㎝)→一番長いパイプの下端まで(30㎝)→風受け羽根に錐で穴を開けて,クリップを付けて吊るす(5㎝)=55㎝ぐらい

★風鈴部品の全部をまとめて合計4本の糸を吊るす先端で束ねて,輪を作って縛る.吊るすとき,この輪にクリップをつけて吊るす.

 

風鈴作りの進化

◇音階をドミソだけでなく,ドファラを加えて,5音階にする.更には,《沖縄音階》にすると,森山良子の『サトウキビ畑』が奏でられる.

◇風鈴撥は,真中の1個だけでは,外側にも付けたい.→割り箸の細木を使って,両端に吊るせばいい.

◇1オクターブ分の音階パイプ8本を一直線に並べて吊るす形にしたときは,鉄琴を合計4本の撥で叩くように,撥はどういう形の,どういう吊るし方をしたら,いい音楽を奏でるようになるか,この《究極の風鈴》を君は作ることができるかな?

風鈴を吊るす場所は,室内の窓際である.屋外は,風によって鳴る音の管理が面倒である.

エアコンに頼らないで,窓を開けて(風が抜ける方の口も開ける)風のササヤキ;風の音楽を聴こう.

涼しい風を室内に入れるには,風を緑の葉っぱのトンネル路に通せばいい.猛暑日でも,風を30℃以下にできる.そういう緑の環境;街をつくる,それが,本当の快適な家のはずです.

STAP細胞騒ぎ 根本から間違っていないのか(その2)

 実験とその論文発表,及び再実験と検証

ということになると,実験とその論文発表,及び再実験と検証も,このことを充分に認識して掛からないといけない.

 

1外部のストレス性刺激による細胞:遺伝子変異は,その複合度・進化の度合いが異なるということ.更にはそれぞれの出現確率は特定的である.これを癌細胞発現の状況と単純にくらべてみる;その発現は,日当たり発癌個数5/生体全細胞数60兆個= 8.310-5 となり,10=10,0000分の1オーダーレベルの発現率の問題である.

  だから,STAP細胞に関わる実験・検証再実験,及び発表に当たっては,少なくとも10万分の1単位のオーダーであることを念頭にされたし.これは,また細胞育成における逆進化の進度レベルにもよることを同時に留意してほしい.

 

2この確率での再現実験にあたっては,その方法が国際特許事項ということもあり,公開できない部分もあろう.それだけに,その根拠:依拠データは次の条件を満たすことが求められる.

A;何時・どのような概略の実験をしたか:実験のアカウント性の明記

B;その結果は,生データを必ず,原資料として提示・掲載すること.このデーターの使用は,公開性である.

C;STAP細胞生成の手法の核心は,国際特許とも関わり守秘してもいいが,そのデータ解析と説明のためのデータの加工は,その加工方法を同時に明記すること.これは秘密事項ではなく,Accountabilityである.

D;現代の科学技術は,その処理が,高度の装置によるものであり,このシステム自身の検証もまた,その信頼性を担保すべきである.

 

論文発表にあたって機密の厳重な管理と国際特許同時申請を

発表にあたっては,その特許性を担保することを厳重に守ってほしい.現代の科学技術は,産業技術の発展とそのレベルによって,それが直ちに実現技術となり製品化される.その商品化価値は時には何兆円以上ともなる.STAP細胞現象の研究はそういうレベルの研究であることをクレグレも自覚してほしい.研究業界・マスメディアにあっても,この必要な機密性の保持について,充分な理解と配慮が求められる.

この点で,4月9日の小保方さんの記者会見は,iPS細胞発表時の山中伸弥氏と同様に(むしろここから学んだと言った方がいいのだろう.),マスメディヤの抉り獲らんとする咬みつきに,自らを自制して耐え,公表できないことは,拒否して発言をなされていて,立派であった.

若い研究者の偉大な挑戦が,突出して騒動となったが,こうした発表においては,内容結果の発表時と同時に,細胞形成の手法の最も重要な核心となる技術については,国際特許を申請しておかないといけない.記者会見での発言で,「コツがありますよ」なんてサラサラと言えるものではない.また,それを「言え.でなければ信用できない」と脅すようなことは,あまりにも聞く方が未熟だ.

論文指導というが,一番大事な指導は,この国際特許申請である.理論論文の場合と異なる.これは,即実現技術から,産業技術となり,何兆円の商品価値となる技術である.余りにもオットリ構えすぎる.これもまた,自由闊達を旨とした初代創設者仁科芳雄博士の気風を引き継ぐ理研の体質なのであろうか.

 

 

 小保方氏等の研究の評価

 

1枝元STAP細胞・万能幹細胞等それぞれの細胞育成史レベルのSTAP細胞に対して,そのメカニズムを分子生物学の重要テーマとして位置づけて,今後総力を上げて,何十年も掛けて追究して解明することが求められる.この展望から見れば,今回の小保方論文発表は,端緒となり,大変重要であった.

 

2そして,器官部位・機能体の病変異をその部位の細胞群のSTAP細胞とその部位細胞の共同による作業で修復ができる医療の展望につながるものとして,このSTAP現象を重視することである.今回の小保方論文はそれにつながる大変重要な提起であった.

 

3またこのメカニズムの解明が,発癌性病変のメカニズム解明の重要な体系と同型をなしており,がん医学の進歩にとっても重要な契機となるものである.

 

 

最先端技術の発見・発明は,リスクが伴う  だからこそ挫けずに前へ

小保方氏をはじめ研究者のSTAP細胞研究に対して,‘挫けずに更に前へ’を期待する.最先端技術の発見・発明は,リスクが伴う.失敗が伴う.それを恐れてチジ篭ってはいけない.一千回・一万回のうちの一回の事実の出現でも,それが事実として科学現実の真実となる.そして科学の世界では,確実に大きな発展に繋がる,大いなる基盤となる事実となるのである.惑星間帰還衛星‘はやぶさ’の開発グループの‘リスクが伴う  だからこそ挫けずに前へ’という気概には,大変勇気付けられる.STAP細胞研究もまた,国際的にも最先端の研究であり,その開発は最先端技術である.

 

日本の科学研究業界,及びマスメディアの品の悪さ・知性の低さが露呈/ ともとられよう

日本のマスメディアが,彼女の私的なことまで,穿り出して騒ぎ立て,研究業界でも,出た釘を「捏造だ・悪意だ・全く未熟だ」等の悪罵を投げて,パッシングしては,ミットモナカロウ.そういう発言・報道をする方こそ,‘魑魅魍魎チミモウリョウ’である.ここで‘チミ’を逆さまに言い換えると‘未知・未明・無知’であり,自分が何を言っている理解してないということ,そしてさらに‘モウリョウ’を‘モウロウ’と読み換えれば,STAPなることに朦朧としているのである.

 

STAP細胞の探究は,世界の科学技術における最先端のテーマである.今後必ずこの小保方論文に刺激されて,確実な技術を持って,鮮やかな研究成果が発表されよう.そのときに,今回の騒動にみる研究業界とマスメディアの異常現象は,‘下っ端の無知な森の石松’であったと笑いものにもなろう.そう覚悟をしておいた方がいい.

 

(執筆担当;エクセルギーハウス技術開発研究所主宰Y.K)

STAP細胞騒ぎ 根本から間違っていないのか(その1)

小保方晴子氏の『STAP細胞論文』騒動について

細胞生育史系;細胞分化再生の発生分子生物学における基本問題を問う

ScienceCritique-WebJournal「風そして嵐」  /2014.04.13

  

大変な騒動となったSTAP細胞の論文発表について,研究業界・マスメディアは,発生分子生物学において,基本的なことで無理解があり,それが,様々な誤解と生み出しているのではないかと思えるので,敢て,このレポートを為したものである;STAP細胞について論評するときは,発生分子生物学からいえる,基本的な以下の二つの視点を充分認識して言動をなされてほしい.だから小保方氏らSTAP細胞研究者もマスメディアからの取材・報道の場面ではこの基本認識を相手方が理解されているかについてよく読んで発言した方がいい.

※この基本認識はまた論文発表共同研究者も(小保方氏ご本人自身もと思える節がある)言えることである.というのは Wikipediaの検索記事でさえ,STAP細胞の様態について誤解があるからである.

 

STAP細胞研究発生分子生物学からの基本的視点

①‘STAP細胞はある・ない’ではなく,どのようなSTAPかの問題である.

②遺伝子の変異発現には,2形態がある;

一つは〈確率的な発現〉であり,

もう一つは〈特定条件による必然的な発現〉である.

STAP細胞現象は,前者の場合である.

 

 

STAP細胞とは

             ※以下の文中でのSTAP細胞についての記述は Wikipediaを参照したが必ずしも文言は同じでない.いくつかの重要な点で改変したことをお断りしておく.

刺激惹起性多能性獲得細胞

Stimulus-Trigered Acquisition of Pluripotency複数性・多元性Cells

 /動物の体細胞に 外的刺激ストレスを与えて,分化多能性を獲得させた細胞/

である.これをSTAP細胞の規定にして以下に考察しよう.

そもそもSTAP細胞の仮説に至る研究の発端は,「動物の中でもイモリは,器官部位を傷つけるなど,外部からの刺激を与えれば,その部位の細胞に生育できる再生能1を持っている.これは人も含めた哺乳類にも,この原初的機能を持っている細胞がある:そういう遺伝子能を保持している,あるいは進化過程を複製して,進化の過程でも失われないで2細胞自身の個の育成に遺伝子機構で保持しているのではないのか.」ということであったという.

    1)は,一般的には(Wikipediaでも)「万能細胞化」と言っているが,そういう概括ができないコンセプトであることに注意してほしい.iPS細胞の場合は,まさにあらゆる部位のへの進化生育能をもった万能細胞であり,〈分化万能幹細胞〉といえる.STAP細胞はこれとは異なり,〈複数性・多元性の能力獲得〉を持った細胞である.その能力は,再生性;再び生体のその部位細胞になりうる能力もあり,無限増殖性もあり,部位機能の複数性の獲得もありうる/というものである.こうした多能機能の細胞への振り戻しがSTAP細胞である.誤解なさらないようにしてほしい.

    2)は,H大学のC.バカンティ教授らは,「分化した組織内に小型の細胞が極少数存在しているのではないか」という仮説を立てて,探究してきたものであるが,その実験の過程で.小保方氏が,それはむしろ,〈幹細胞は在って,それを取り出すのではなく,操作によってできているのではないか〉というコペルニクス的発想転換をして,実験でそれを探究してきたものである.

部位機能喪失細胞に対しての自己補修能がなければ,生物個体は存在しえなのであり,それは細胞・遺伝子機構の進化学からも重要な視点である.日本の分子生物学には,遺伝子機構に取り込まれた,このような進化学的変異・変化・発達の観点が欠落している向きがある.それで,Wikipedia記載者の記述とは異なって,※2)を追記して,これを強調したものである.

 

 

1 STAP現象は‘普通に起こる’.問題はどのようなSTAP細胞であるのかということ

  細胞生育史系の4形態

生体部位でその特化した機能性を持った細胞に生育する形態は,いくつかに分類される.細胞の成育史系で,A;入れ替え補充・補強・修復ができる細胞と,B;‘その部位において構成要素は新しいものと入れ替えるが,機能単位の個として一生変らない細胞’に分かれ,更には,C;途中で損傷・変異して変異したままでその部位機能体の一部を構成しているもの,そしてD;全く機能性を分担しないで,増殖性にのみ特化した細胞,すなわちがん性細胞である.

細胞生育史系の3レベル

変異形態だけではなく,細胞成育史系のレベルの視点も重要である;

分化万能性機能を持ったものを幹細胞と呼んでいるが,その生育史系も,このあらゆる部位細胞に生育する分化万能性細胞だけでなく,特定のその部位の細胞に生育できる固有育成性のある細胞もありうる;このSTAP細胞で,皮膚細胞などAのように再生:自己修復性ができる部位細胞ではなく,心筋細胞などBのような場合の,その部位の組織細胞に分化再生を止めた細胞においても,この部位の細胞の始原に戻って,再び細胞分化;育成生産性を獲得できる分化生育能を獲得したSTAP細胞がありうる.

今回の小保方氏らの研究は,その可能性を見出す契機となるものであった.今後のこの視点分野の系統的な研究もなされることとなるので,この細胞を‘その部位の幹細胞’とも言えるが,改めて〈部位再生性STAP細胞〉と概括する.あるいは〈枝元STAP細胞〉と呼んだ方が分りやすかろう.

以上から,細胞分化発達・生育史レベルは,3段階になる.

分化万能性を持った幹細胞    特定の部位の生育始原となる枝元STAP細胞特定の部位細胞

 

がん性細胞変異の解明につながる

細胞変異の典型は発癌である.がん性細胞とは,正常な遺伝子群による正常な機能を持つ器官・部位の生体細胞から,ある一定の内的,あるいは外的作用によって,機能の機構変異,それを指示する遺伝子によって,増殖性のスウッチが入り,器官部位の機能を果たしながら,あるいはその仕事を為さないで,無限増殖をする.それが癌性細胞である.こうしたがん性細胞の発生は器官部位へ分化多能性ではないが,その部位の細胞に寄生生存できる,自己増殖性に特化した一つの変異細胞である.これはその変異様態は,STAP現象と同型の部分があり,だからこそ,STAP細胞の研究が,がん性細胞変異の解明とその治療に関わる重要なテーマともなりうるということである.

 

このようなことがら言えば,‘STAP細胞が存在するのかどうか’ではなく,探究されることはどのようなSTAP現象なのかその細胞は細胞発育のどのような段階の細胞なのか,その細胞のもつ機能は,どのような複合機能性なのか/ ということである.

細胞生育史系で,全ての分化の大本となるのは胚細胞・ES細胞等の〈分化万能幹細胞〉であるが,これだけの視点ではなく,〈部位の枝元幹細胞〉もあるということである.問題はその変異が育成のどの段階まで遡って成されたもののであるかである.この細胞育成進化の度合いを必ず,認識して探究・議論,発表してほしい.

医療への応用が期待されるのは,部位細胞の生育進化の根元に位置付き,すべての部位細胞に生育する万能性の幹細胞だけでなく,その部位に特定化されて,その部位で生育し,その部位で機能を共同できる細胞の始原となる細胞である.この細胞もまた,再生医療では重要となろう.STAP細胞の研究は,部位細胞修復再生性の可能性の探究であり,さらには変異形態Dのがん性細胞の発芽・発育の様態の解明に繋がるものである.

 

2遺伝子変異は外からの作用に対して,その変異現象の出現には二通りある

これを認識してないと,細胞変異:遺伝子変異発現は 理解できない.

A;確率的発現:遺伝子の確率的変異現象

B;必然的発現;外的作用で遺伝子の特定の複合機能群が変異する現象

  Aの事象 更に高度な解析によって,発現の環境条件が特定化され,Bの事象となることもある.しかし 全てがそうとはいえなく,原理的に 確率的発現の現象である場合もある.このことも留意しておくようにしたい.遺伝子による発現現象は サイコロを振って結果を出す:現象化する事象もあるということを キチンと認識してほしい.遺伝子・分子発生生物学は チョウド 量子力学の世界と事象が似たところがあるということ.

 

 

iPS細胞は特定の外部作用によって発現するBの現象であるが,今回のSTAP細胞は,Aの確率的変異現象である;外部から,その細胞にフィットしたストレスを与えると,細胞に変異が起こる.その変異は遺伝子変異であり,その発現は,確率的に起こる/ ということである.このことの認識が間違っていると,‘理解の混乱’が生まれ,再実験の失敗で即否定となり,論文評価の混乱が生まれる.

睡眠障害を自己療養で治す 眼球運動による誘眠ディバイスをつくる

 

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メーカ‐へのお願い→→是非こうした器具を作って商品化してほしい.

睡眠障害の人は,1夜の睡眠サイクルが レム・ノンレムの1サイクル(2時間ぐらい)を2回ぐらいしか摂ってないのではないか; 寝付きが悪く,頭の中を思考が駆け巡ってなかなか眠りに入れない,あるいは,眠ってから2サイクル4・5時間後には目が覚めてしまってその後眠れないなど...こうした人は 現代の日本人の3人に1人はいるのではないだろうか.就寝したらすぐに眠れる・途中で起きてもまた眠れる,それで1夜で睡眠3サイクルは確保したい.睡眠不足状態が永らく続くと,心の病だけでなく,免疫・代謝性異常のバックボーンとなる.それが生活習慣病といわれる糖尿病・自己免疫疾患等の発病となる.この装置の発想は,EMDR療法の眼球運動による脳内の局所エネルギーの発散にある.クライアントに負担が掛からないということでWHO推薦の療法である.それを睡眠障害に応用・転用するという発想で作られたものが,この誘眠ディバイスである.